中央線高架下の空き地
JRの中央本線の高架下(武蔵小金井駅近く)に、魅力的な空き地ができていた。
上の写真は立川方面に伸びる中央線の高架である。
以前、こことは別に、中央線の高架下にできた空き地を紹介したことがある。そこは150メートル以上にわたって駐輪場や駐車場になっていたり、レンタサイクル場として有効利用されたりしていた(参照:空き地の有効利用 - 空き地図鑑)。しかし、まだここのように使われてない場所の方が多いのだろう。
空き地の前にはフェンスが立てられていて中に入ることはできないが、隙間から敷地内の様子が確認できた(上の写真)。
そこには砂利が敷かれた空間が広がっており、土木に関する空間にも関わらず、清浄さを感じられるのが不思議だ。
もちろん反対側の高架下(東京方面)にも空き地は続いている。こちらも、中はゴミなどが見当たらずきれいな空間が広がっていた。
高架下は夏でも涼しくて居心地が良い。
砂利の上にクズの蔓が侵入してきているのも良い感じである。できることなら中を散歩したり、柱にもたれてジュースでも飲みながら佇んでいたいのだが…。
また、コンクリートの柱が奥まで整列する様子を見ていると、現代につくられた神殿のようにも思えてくる。以前訪れた多摩境駅前の高架下広場にも、似たような空間が広がっていたのを思い出した。
(多摩境駅前広場)
この中央線の高架の脇には、小さな空き地もひっそり佇んでいた。
(no. 201〜202 / 東京都)
階段下の玉砂利スペース
初めてここを見たときは、まさかこんな場所がこだわって整備されているとは思わなかった。
人目につきにくい階段下のスペースが、わざわざ玉砂利で整備されていたのである。
この方法はすでに一般化しているのだろうか。
人が入らないように柵が立てられているし、何かの目的で使われているようにも見えない。
普通、こんな吹き溜まりのような場所であれば、ゴミなどで環境が悪化してしまうところだろう。
毎週この前を通るが、いつもこのように清潔に保たれている。
たしかに、白い玉砂利を敷くと、神社や日本庭園のような雰囲気が醸し出され、ゴミ捨ての抑止効果が期待できる。担当したのはおそらく市の職員だと思うが、この「清浄感」を狙ってつくったのだとしたらさすがである。
(no. 203 / 千葉県)
やさしい空き地
小学校の敷地の角(小さな三角部分)が空き地として残されていた。
右側の歩道沿いには校門があり、この道がメインの通学路になっている。しかし、左側には車の通る道があるため、出会い頭の事故が心配されたのだろう。
そのため、見通しがきくようにこの三角部分が空けられたと考えられる。
(追記:これは「隅切り(すみきり)」と呼ばれるもので、通行時の曲がりやすさ、見通しの確保などを目的として、自治体の条例や建築基準法の規定などによってつくられます。ここでは「余ってしまった土地」として紹介してしまいましたが、本来は「ルールによってつくられる空き地」に分類されます。)
タイルを敷いて校地であることを示しているのも、こだわりが感じられて良い。
(no. 204 / 東京都)
分割された空き地
余ってしまったと思われる三角の土地である。内部の土地がいくつかに分けられているのが、この空き地の特徴だ。
数ヶ月後に訪れたら、雑草がほとんどなくなっていた。定期的にちゃんと手入れされているみたいだ。
なんとなくだが、もともとは花壇として使われていたように思える。
花などを植えて緑ができれば、赤茶のレンガが補色としてアクセントになるし、建物の見栄えも良くなるだろう。
エアコンの室外機の前にはブロックに仕切られた砂利部分があった。室外機が雑草に埋もれないよう工夫されている。
手前に突き出た極小空地。こんな隙間にも土が入れられていた。
(no. 205 / 東京都)
通り雨がつくった風景
那覇市の繁華街を歩いていたら、突然大雨が降ってきた。
これはその時に見つけた空き地で、あっという間に水たまりができてしまった。
地表の様子を見るかぎり、工事が完了してからあまり時間が経過していないことが窺える。
道沿いには金属のポールとロープで柵が設けられていたようだが、倒れて機能していない。
広さとしては、車一台が楽に停められそうだ。しかし、雨のたびにこのような水たまりができてしまうなら、とても使い物にならないだろう。
室外機の隣にある祠も気になる。ひょっとして、拝所として行き来できるようにこの空き地が残されたのだろうか。
今後どんな姿になるか、興味深い土地である。
(no. 206 / 沖縄県那覇市)
二つの空き地
この場所も、土地が不整形なために開発されずに余ってしまったと考えられる。
撮影したのは夏だが、地面に雑草があまり生えていない。空き地ができて間もないか、あるいは、除草剤が撒かれた可能性もある。
この場所の特徴は、フェンスを隔てた奥に、さらに別の空き地が存在することだ。
道路に面して、奥の空き地に入るための扉があった。
そこから通路が続き、奥の空き地へ繋がっている。
奥の空き地の地面には、何かが並べられているのが見えるが、それが何かまではわからなかった。
当初は、このように空き地が分けられているのを見て、土地の所有者がそれぞれ異なるのだと考えていた。
しかし、よく観察すると、上の写真の左側のフェンスにも扉が確認できる。つまり、手前の空き地を通って奥の空き地へも入れる仕組みになっているのだ。
したがって、二つの空き地の所有者は同じで、奥の空き地だけ作業場などに使い、簡単に立ち入れないようにしているのではないだろうか。
(no. 207〜208 / 東京都)
階段下の空きスペース
駅前ロータリー(多摩センター駅)の階段施設に用途不明のスペースがあった。
この階段を上がれば駅前のデッキスペースに至る。
中には案内標識などもなく、何かに使われている形跡はみられない。
なお、写真の左奥へ抜けるとロータリーがある。
階段の入り口は、照明のついている壁のすぐ右側にあるが、そこは壁で塞がれている。したがって、一旦ロータリー側に抜けて回り込まないと、階下には到達できない。しかし、この壁のおかげで、ここは単なる通路ではなく、包まれるような構造の空き地になっているのである。
目的もなくこのようにデザインされたのだろうか。それとも、第三者にはわからない利用目的があるのだろうか?
(no. 209 / 東京都)
歩道橋下の余った土地
これも多摩市内にあった歩道橋下の空きスペースである。
初めて「安全第一」の木製バリケードを見た。古いものかと思ったが、現在でも販売されているらしい。
おそらく当初は、このような立入禁止の囲いはなかっただろう。しかし、いつ頃からかここに自転車が放置されるようになり、その対策として今のような姿になったと思われる。
壁にうっすらと白いものが見えるが、これは落書きを消した跡ではないだろうか。以前は放置自転車やスプレー塗料などで、だいぶ荒れた空間になっていたことが想像できる。
(no. 210 / 東京都)
斜面の空き地
丘の斜面にあった空き地で、上には温泉施設が建っている。
私はこれまで、斜面の空き地が何かに有効利用されているケースをほとんど見たことがない。記憶にあるのは、樹木や芝などで植栽されている場所くらいだ。
防草シートが、樹木や木の杭を避けて、斜面すべてに丁寧に敷かれていた。
斜面の空き地の中には側溝が通っており、そこにはシートが敷かれていない。その隙間から雑草が生えてきている。
右側の坂道を下ってきた。
木で遮られてしまっているが、この空き地は広く、道に沿って左側にも続いていた。
(no. 211 / 東京都)
※この記事は、オモコロ杯2020で銅賞を受賞しました!