道路、公園、住宅地、その他様々な施設の屋外空間に、草花や樹木を植えるための植栽地*1が設けられている。
これは、多摩動物公園(オオカミのスペース前)にあった、使われていない植栽地である。
ご覧のとおり雑草花壇になっている。大きめの草もおそらく雑草だと思うが、見た目が観葉植物っぽくて良い。
しかし、工事用の柵があるので、近々何か植えられるのかもしれない。ここの雰囲気には、シュロやソテツ、屋外越冬できる多肉植物などが合いそうだ。
オオカミは左側の窓から観察できる。
ただ、訪れた午前中はほとんどが木陰などで寝ていて、あまり観察することができなかった。目当ての動物がいる時は、少し調べてから行ったほうがいいだろう。
(no.185 多摩動物公園/東京都日野市)
集合住宅(一階は店舗)の階段入り口にあった植栽地。
螺旋階段に合わせ、扇形の凝った意匠になっているが、長い間使われていないように見える。
使われずに雑草が伸び放題の植栽地をよく見かけるが、ここは砂利が敷かれたり、北側で日光が当たらないせいか、ドクダミ、カタバミ、シダ植物などがわずかに生えるだけで、侘しい佇まいになっていた。
(no.186 千葉県柏市)
公園の入り口の花壇に、なぜか低木が植えられていないエリアがあった。
植木の手入れをする際、作業員が入るスペースだろうか。
あるいは、何かのモニュメントが立っていた跡なのかもしれない。
過去の姿が気になり、ストリートビューで確認してみたが*2、記念碑など何かが立っていた様子はみられなかった。
いったい何のための空間だろうか。
(no.187 鶴牧第2公園/東京都多摩市)
上の空き地があった公園入り口の階段を上ると、今度は下のようなストーンサークル風の空き地があった。
こういう芝生エリアは、公園だけでなく、集合住宅や何かの施設の屋外空間でよく見かけるし、特に珍しいものではない。
しかし、ここは何故か丘のようにこんもりしており、不自然に取り残された感じがする。それに、何もない小さな空間を囲うために、わざわざこんなにしっかりした石の柵をつくるだろうか?
なんだか、イギリスのストーンサークルを見ているようである。
※この空き地に似てるストーンサークル↓
中が気になったので、近づいて頂上付近の様子を確認してみた。
すると、この空き地の謎が解けた。
丘の上に切り株があったのである…。しかも二つ(写真の上の方にも)ある。
つまり、ここにはかつて2本の木が立っていたのだ。
おそらく病害虫でやられてしまったか、台風、落雷などで治療できなくなり、切られてしまったのだろう。
また、この空き地は遠目からは芝生に見えたが、こうしてみるとほとんどが雑草のようである。
このように、変な佇まいの空き地には、たいていそれなりの事情(歴史)があり、隠された過去について想像したり、調べる面白さがある。
きれいに整備された公園の中に、こういう穴のような存在を見つけられることも、観察の醍醐味といえるだろう。
(no.188 鶴牧第2公園/東京都多摩市)
この写真のように、歩道にある樹木を植えるための場所を「植樹桝(しょくじゅます)」というらしい*4。
しかし、何かの理由で木が切られ、このように使われなくなった植樹桝もある。
こっちは公園の歩道にあった植樹桝。冬に撮ったので、枯葉が中央の穴にたまってしまっている。
同じ公園にあった別の植樹桝。
これは店と店の間の歩道にあった植樹桝。木が切られてから時間が経ち、雑草花壇と化している。
この付近の植樹桝は、どれも円形にデザインされ、四角い植樹桝よりもいくらかおしゃれに見える。
そのデザインのせいか、様々な雑草を寄せ植えしたみたいで良い。
別の歩道では立ち枯れのサルスベリの木を見つけた。
いずれ処分され、ここにも新しい「空き植樹桝」が誕生するのだろう。
(使われなくなった植樹桝。上からno.189〜192。全て茨城県龍ケ崎市内)
雑草が生える植樹桝がある一方、何かで塞がれてしまった植樹桝もある。
これは土囊で蓋をされてしまっているが、袋を取り除けば再び樹木を植えられるようになっている。
あくまで応急処置なのだろう。
これはアスファルトで綺麗に塗りつぶされていた。
植栽地としての未来は閉ざされてしまったが、「生き埋め」*5、あるいは「ヌリ地面」*6と呼ばれるトマソンとして、新しく生まれ変わったことを祝福したい。
同じく、アスファルトで塗りつぶされた植樹桝(先に紹介した円形の植樹桝と同地域)。
しかし、これはこれで美しい造形をしている。
ここにも、かつてサルスベリが植えられていたのを覚えているが、いつの間にか切られてしまったようだ。
これもアスファルトで蓋をされてしまった植栽地だが、一風変わった姿をしている。
そもそも、電柱の下にこういう花壇が設けられているのを初めて見た。
隙間だらけのアスファルトと壊れた円柱ブロック…。
そして、その隙間から雑草が生え、全体として意味不明な造形物が出来上がっている。
路上工作物(土木素材)と雑草の組み合わせは以前から好きなので、いつかホームセンターで資材を調達して理想のエクステリア・オブジェをつくってみたい。
撮影後に気づいたのだが、よく見ると、右奥になぜか一列だけ、四角いレンガが敷かれている。
また、じっと眺めていると雑草が浮島に、アスファルトが水面に見えてきて、いつの間にか枯山水のように鑑賞してしまうのは自分だけだろうか。
この付近では、どうやら電柱の根元に花壇を設けるのが流行っているようだ。
これは「使われていない植栽地」とは言えないかもしれないので、空き地としてはカウントしないでおこう。この大きな葉っぱの植物は雑草ではなく、おそらく人為的に植えられたものだからだ。
しかし、もはや人の手を離れ、野生化しているところが魅力である。
このとおり、裏の駐車場のアスファルトを突き破って進出している。
先ほどの円形の植樹桝があった小道で、「防草シートで覆われた斜面の空き地」と「使われてない植栽地」が隣り合う風景に出あった。
両方とも、利用されていない空き地に変わりはないのだが、後者は潜在的な利用価値が認められ、残されているのだ。
同じ小道には、ちゃんと使われている植栽地もある。
ちなみに、この防草シートは今年の春に設置されたばかりだ。
雑草にしてみれば、芽を出した場所がわずかに異なったため、運命も大きく変わってしまったわけである。シートの下に生えていた草が大変気の毒だ。
集合住宅の入り口に、雑草が繁生している一画を見つけた。
わずか1メートル四方くらいの空き地である。
はじめはゴミ置場かと思ったが、それは左奥の扉の場所に設けられている。したがって、これは使われなくなった花壇だろう。
後日改めて撮影。強い雨が降った後なので、草が少し寝てしまった。
まさか、水面に浮かぶ空き地に出あう日が来るとは思わなかった。
これは多摩中央公園の「きらめきの池」にあった植栽地である。
池全体の様子。
水の上に浮かぶ姿はシュールで、神秘的だ。
なお、同じような空き地は反対側にもう一つあった。
右手前辺りに黄色いパンジーが咲いているのがわかるだろうか。
おそらく、ここは期間限定で使われている花壇なのだろう。去年植えられた花の種が落ちて、自然に芽吹いたのだと思われる。
反対側にあった、もう一つの空き地。
この空き地にも、花壇の痕跡(右手前あたり)を見つけた。
ここには、どうやらチューリップが植えられていたようだ。
(no.199〜200 多摩中央公園(きらめきの池)/東京都多摩市)