空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

余ってしまった土地を観察する2 〈前編〉

はじめに このブログでは、身近にある利用されていない土地を大きく2つに分類して紹介している。 一つ目が、将来的に開発・利用されることを見越して残されている(と見られる)土地で、これを「開発や利用を待つ空き地」と呼んでいる。 二つ目が、この記事…

シートが敷かれた空き地

空き地が新しくできると、やがて地面から雑草が芽を出し、上の写真のように成長・繁殖して敷地全体を覆ってしまう。 緑の空き地には、夏場の気温低減や都市型洪水を抑制する効果があるが、身近に触れられる自然として情緒的な恩恵ももたらしてくれる。 ただ…

無名の遺跡5

井戸ポンプが残る住宅跡地 農地が広がるエリアを歩いていると、不思議な痕跡が残る住宅跡地に出会った。 上の写真は空き地を南東の角から見た様子。 過去に撮影された航空写真を確認したところ、2009年頃までここに建物が立っていたが、2011年にはそれが無く…

水田跡地

以前、このブログでは身近にある様々な「使われていない農地」を紹介し、それらについて整理してまとめた(以下参照)。 冒頭の写真は、2020年8月に撮影した耕作放棄地(あるいは休耕地)とみられる空き地。 「耕作放棄地」とは、以前耕作していた土地のうち…

無名の遺跡4 ー LIVIN(リヴィン)水戸店跡地

このブログでは、住居や施設の跡地のうち、過去の痕跡が残されているものを「無名の遺跡」と呼んで紹介してきた。 (参照:街で無名の遺跡を探す〈前編〉 - 空き地図鑑) その中には、建物の基礎部分や外構(門柱や塀など)がそのまま残されているケースもあ…

街のありふれた空き地を観察する(3)

前回の記事と同様、この記事でも住宅街にある空き地を中心に取り上げ、それぞれの過去の姿を探りつつ、特徴や気付いたことをまとめたい。 ここで紹介する空き地は、住宅、店舗、林などの跡地である。「跡地」なので、当然過去に存在したもの(建物、施設、自…

街のありふれた空き地を観察する(2)

前回の記事では住宅街にある一見平凡な空き地を取り上げ、それぞれの個別性(歴史や性格)について探ってみた。 この記事でも住宅街を中心に7か所の空き地を紹介し、それぞれの過去の姿、特徴、その他気になったことを記したい。 ニュータウンの空き地① ニュ…

街のありふれた空き地を観察する(1)

住宅街を歩いていると、家々の間に空き地が取り残されている姿をよく見かける。しかし、あらためてよく観察すると、それらは一様ではなく姿や雰囲気は様々である。 例えば「住宅街の空き地」と一口に言っても、自然を切り開いて整備されたばかりのもの、長い…

使われていない農地 / 牧草地 / 緑肥栽培地

はじめに 日本にはたくさんの使われていない農地があります。 例えば、土壌改善のために耕作が一時的に休止されている土地、自然災害によって作付けできなくなった土地、何らかの事情で放棄され原野化している土地等々…。 私はこれらの場所も「空き地」とし…

用途不明の空き地2

工場の塀の空きスペース 工場の塀にわずかに凹んだ謎の部分を見つけた。 小さめの細長いスペースだが、何のために設けられたのだろうか? マンホールやハンドホール(排水桝や水道メーター等)が設置されていた場所かもしれないが、蔓や枯れ葉に覆われ、それ…

調整池の空き地(破竹川調整池)

大雨が降ると、川が増水して洪水を引き起こすことがある。それを未然に防ぐため、街に調整池が設けられる。調整池に雨水を貯めることで、大量の水が一気に川へ流れ込まないようにしているのだ。 調整池のなかには、貯水されていない時に一般開放され、グラウ…

余ってしまった土地を観察する〈後編〉

※前編→余ってしまった土地を観察する〈前編〉 - 空き地図鑑 5.小さな不整形地旧市街で見つけた三角形に近い空き地。 過去の衛星画像を見た限りでは、少なくとも17年以上は空き地のまま残されているようだ*1。ひょっとしたら、この辺りに街がつくられた頃か…

余ってしまった土地を観察する〈前編〉

はじめに 街を歩いている時、何の役にも立ってなさそうな空きスペースを見かけることがある。 それらは「デッドスペース」と呼ばれることもあるが、存在感が薄いため普段は目にとまらず通り過ぎてしまうことが多い。 この記事では、デッドスペースを含め、何…

無名の遺跡 3 - 石庭跡 / ゴミ捨て場跡 / 道路跡 / 水利設備跡

前回までの"無名の遺跡"に関する記事では、住居跡地、店舗跡地、使われなくなった施設跡地などを紹介した。 ここでは、それらの土地よりも小さい、ちょっとした空きスペースを中心に紹介したい。 ①石庭らしき跡 レストラン(左)の前に、放って置かれている…

無名の遺跡 2 店の跡地 / スポーツ広場跡地

前回の記事では、過去の痕跡を残す空き地として住宅跡地などを紹介した。 この記事では、飲食店の跡地、包装用品店の跡地、スポーツ広場らしき跡地を紹介したい。 「過去の痕跡を残す空き地」は特に珍しいものではなく、どの地域でも見られるありふれたもの…

無名の遺跡1 住居跡地 / 施設跡地

このブログでは、建物の基礎や塀の一部などの過去の痕跡が残る空き地を、「無名の遺跡」や「痕跡を残す空き地」と呼んで紹介してきた。 ・街で無名の遺跡を探す〈前編〉 - 空き地図鑑 ・街で無名の遺跡を探す〈後編〉 - 空き地図鑑 ・痕跡を残す空き地 1 - …

治水施設の管理用地

調整池の管理用地 散歩中、フェンスの向こう側(調整池の敷地)に、空き地がひっそりと佇んでいることに気づいた。 フェンスが低くなってる所から撮影。 写真中央に三角の空き地があり、その奥には池が広がっている。そして、空き地の右隣にはコンクリート製…

【お知らせ】第三十一回文学フリマ東京に参加します。

今回、既刊『空き地学』vol.3、vol.2、vol.1のみの販売となります。 日時:2020年11月22日(日)12:00〜17:00 会場:東京流通センター 第一展示場(※入場無料) ブース: ナ−29 (空き地研究会) ※webカタログ https://c.bunfree.net/c/tokyo31/1/ナ/29 ※…

使われていない植栽地4〈後編〉

③ 何もない ここでは目につくものがない、あるいはほとんどない空き植栽地を紹介したい。 (※前編はこちら → 使われていない植栽地4〈前編〉 - 空き地図鑑 ) ●小さな空き花壇 店の裏口にあった使われていない花壇。 ここには、目を引くものはわずかに生え…

大坂城の空堀

大坂城跡に、水が入っていない「空堀(からぼり/からほり)」がある。 空堀になっているのは、内堀の3分の1ほどで*1、残りは水が張られた水堀である。 上の写真は本丸南側にある空堀(桜門西側)の様子。 新緑の時期に訪れたので、雑草に覆われた空堀の姿を…

使われていない植栽地4〈前編〉

はじめに 街を歩いていると、様々な場所で花壇や植樹のためのスペースを見かける。 それらの中には何らかの事情で使われていないものがあり、人目に留まることなくひっそりと佇んでいる。 この記事では、散歩中に見つけた使われていない植栽地の姿を紹介しつ…

防火水そう / 消防活動用空地

住宅街の防火水そう① 散歩していると、時々コンクリートの台が設けられた一画に出会うことがある。 写真の標識にあるとおり、この四角い台は「防火水そう」といい、地中に埋められた容器の中に消火用の水が蓄えられている。 ここは非常時に活躍する空間なの…

街で無名の遺跡を探す〈後編〉

[目次] 6. 神立駅前遺跡 (かんだつえきまえいせき) 7. 物言わぬ原っぱ まとめ おわりに 6. 神立駅前遺跡 (かんだつえきまえいせき) (神立駅前遺跡 / 撮影日:2019年6月26日、7月10日) 土浦市のJR神立駅前に、建物や駐車場の痕跡が残された広い空き…

街で無名の遺跡を探す〈前編〉

はじめに 街を歩いていると、普段目にしていた店や家がなくなって空き地になっていることがある。 新しくできた空き地は、上の写真のようにきれいに整地されていることが多い。 しかし、なかには目を引く痕跡が残されていることもある。 たとえば、この空き…

使われていない駐車場4

使われていない駐車場にも、他の空き地同様、何ともいえない魅力がある。「殺風景」という語は、「単調で趣のない」、面白味がないなどの否定的な言葉だが*1、むしろそのような場所に私は情緒を感じてしまう。 これまでも、このブログでは様々な使われていな…

出来立ての空き地3

解体工事中の駐車場 夜のゲームセンターに、解体工事中の駐車場があった。 工事は、おそらくこの日の日中に始まったばかりだろう。敷地内には工事車両が停まっていて、いくつか瓦礫の山ができていた。 翌日関係者に聞いたところ、駐車場を一度解体して舗装し…

住宅街の空き地6

樹木が立つ空き地 住宅街に、長い間人の手が入ってなさそうな空き地があった。 空き地の中で一際目を引いたのがこの木。 ここまで成長するにはどれくらいかかるだろうか。成長が早い木だとしても、3年以上は放って置かれているように見える。 隣家にとっては…

ある空き地の記憶

かつて地元に広い空き地があった。 これは2012年6月に撮影した様子である。 この空き地の面積は6ヘクタール以上あり、全体が草に覆われ、ところどころ自然に根付いたと思われる低木が生えている。またこの中にはキジが棲んでいて、そばを通ると鳴き声をあげ…

建物と建物の隙間

建物と建物の間に生まれた隙間。 その姿はどこも同じではなく、観察していくと様々な表情があることがわかる。それらはきれいに整えられているところもあれば、雑然と物が置かれているところもあり、住人や管理者の意識が垣間見えたりもする。 また、人目に…

【お知らせ】第二十九回文学フリマ東京に参加します。

新刊『空き地学』vol.3と 既刊vol.2、vol.1を販売します。 日時:2019年11月24日(日)11:00〜17:00 会場:東京流通センター 第一展示場(※入場無料) ※会場へのアクセス ↓ bunfree.net 【ナ−31】★ 【書誌情報】 『空き地学』vol.3(デザイン / Katooonlin…