空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

がらんどう

 

f:id:akichiniiko:20201229205123j:plain散歩でよく通る道沿いに、アスファルト舗装された広い空き地ができていた。

上の写真は北東の角から見た全体像。

長い影が、敷地内のガランとした雰囲気を引き立てていて心地よい。

かつて、このスペースは写真右奥にある自動車販売業者の展示場として使われており、数十台の乗用車がここに並んでいた。

f:id:akichiniiko:20201229174807j:plain敷地中央付近の様子。

空き地の広さは400坪ほどあり、道路との境界には柵が設けられていない。

つまり、入ろうと思えば誰でも入れる環境になっているのだが、これまで観察してきた限りでは、人が立ち入っているのを見たことがない。

また、アスファルト舗装された広い空き地としては、これまで駐車場跡地をいくつか訪れたことがある。ただ、それらの場所には駐車スペースを区切る白線や車止めブロックなどが残されており、この空き地のように目に付くものが全く無い例は珍しい。

f:id:akichiniiko:20201229175258j:plain北西の角から見た全体像。

3、40年くらい前までなら、子供たちがこういう場所に集まってボール遊びなどをしていたのではないだろうか。しかし、その頃に比べて子供たちの外遊び時間は減り、最近では私有地の空き地を遊ぶ場にする子供はほとんど見かけない。

また、この空き地を眺めていて不意に思い出したのが、2001年に閉鎖された秋葉原駅前広場だ。

この空き地とその駅前広場とでは立地、広さ、用途が全く異なるが、舗装された殺風景な広場という印象が共通している。当時の駅前広場にはバスケットボールやスケートボードで遊ぶ人々が集まり、独特の賑わいがあった。

時代が違っていたら、この空き地にもスケートボードを持った若者が集まっていたかもしれない。

(茨城県)

 

※この空き地が舗装整備される前にも訪れたことがある。当時の姿については下の記事で紹介している。

akichiniiko.hatenablog.com