前回に引き続き、この記事でも特徴のある空き地を紹介したい。
上の写真は、住宅街にある松の枯木が立つ空き地(2020年8月撮影)。
この辺りは40年ほど前に開発が始まったニュータウンで、近年も人口は増加傾向にあり、当地区に残る空き地の数は徐々に少なくなっている。また、それらの空き地は総じて管理状態が良く、私が観察した限りでは、この区画のように開発の邪魔になりそうなもの(樹木や残置物等)があるケースは少ない。
ただ、もちろん、この写真のように長い間人の手が入っていない空き地も時々見かける。この姿を見ればわかると思うが、ここに立っている樹木は自然に根付いたものと見られ、長い間放っておかれたせいで大きく成長してしまっている。
一方、冒頭の松の枯木が立つ空き地は、下草がきれいに刈り取られ、定期的に人の手が入っていることがわかる。
この木は、かつて空き地の所有者が植樹して育てていたものだろうか。
それとも、自然に根付いたものに愛着が生まれ、大きくなるまで保護してきたものだろうか。
いずれにしても、腐食が進む前の近いうちに処分されてしまうだろう。
枯れ枝を見ると、松ぼっくりがたくさんついたままになっている。
ドライフラワーの花材として使われるように、これはこれで美しい。
敷地内の様子。空き地は奥へ2区画分続いている。
枯れ木になっても地表に木陰をつくり出し、どこかのんびりとした雰囲気が漂う。いつ枯れてしまったか不明だが、青葉を茂らせていた頃の空き地は、きっと今と異なり爽やかな印象があっただろう。
(no.504 茨城県)