空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

雪の空き地

 

雪遊びの形跡

私が住む関東の地域では冬に雪が積もることは珍しく、年に1、2回程度。積もったとしても10センチくらいにしかならない。

この記事では積雪があった2022年1月の住宅街の空き地を紹介したい。

当初は早朝の綺麗な雪面を撮影するつもりだったが、早起きできず雪解けし始めた姿を記録することになってしまった。

しかし、撮影時刻が遅くなったおかげで、空き地に立ち入った人々の形跡を観察することができた。

これは600坪ほどの空き地で、周囲に立つ住宅を基にすると8〜9区画分くらいになる。

空き地の中央には2つの雪だるまが置かれている。近所に住む子供たち、あるいは子供連れの家族が作ったものだろう。積雪が浅い地域では、このように土付きの雪だるまになってしまう。

空き地の中央付近の様子。

ここには、足跡とソリを引いたような筋が残されている。

北東の角から見た空き地の全景。

この辺りにも足跡がたくさんついている。

 

散歩と思われる形跡(1)

これも雪遊びの一つと言えるかもしれない。

綺麗な雪面があると、とりあえずその上を歩きたくなるものだ。この空き地では誰かが敷地の奥まで入っていき、そこから引き返してきた様子が窺える。ちなみに、ここには人の足跡だけしか見あたらないので、犬の散歩ではなさそうだ。

北側から見たこの空き地の全景。

北東の角から見た空き地の全景。

 

散歩と思われる形跡(2)

この辺りの路面は雪が溶けているが、空き地の中にはまだ残っている。

この空き地にも、敷地内を歩き回った足跡がたくさん残っていた。

近寄ってみると、大きさの異なる足跡が2つ見えたので、近所に住む親子が入ったのかもしれない。

サクサクと、雪を踏む感覚を楽しんでいた姿が想像できる。

 

通り抜けと見られる形跡(1)

向かって左右には一戸建てが立ち、奥にはアパートが立っている。

このアパートに向かってまっすぐに足跡が続いていた。

おそらく、住人が近道するために通ったと考えられる。

 

通り抜けと見られる形跡(2)

この空き地には隣の駐車場に向かって足跡が続いていた。

この空き地の全景。左隣(杭から左側)と奥の敷地が駐車場になっている。

このように、「通り抜けと見られる形跡」(1)(2)では、近道として日常的に空き地が使われていた可能性があり、積雪でそれが可視化されただけとも考えられる。

 

雪解けが進む空き地

ここまで、人が立ち入った形跡がある空き地を紹介したが、上の写真のようにそれが見あたらない空き地もある。

ここは日光がよく当たるせいか、撮影時には雪の層が薄くなり、下の枯れ草の起伏が表面に現れていた。

北東の角から見た空き地の全景。広さは140坪ほど。

南東の角から見た全景。

この日は時間がなく、これ以上の撮影はできなかった。もっと多くの積雪の空き地を観察したかったが、また機会があれば再挑戦してみたい。

(no.511-514 / 茨城県)