はじめに
本ブログでは、下記の条件に当てはまる土地のことを「余ってしまった土地」と呼んで紹介している。
(1)何かをつくったり、整理したりすることで生まれる余った土地。
(2)特殊な事情により、恒常的にデッドスペース化していると見られる土地。
それぞれの内容は次のとおり。
(1) 道路、橋、建物などを新たにつくったり、土地の区画を整理したりすることで生まれる余った土地。これらのうち、役割が明確に定まっていないように見えるものや、日常的にほとんど(あるいは全く)利用されている様子がないもの。
(2) (1)の他にも、地中に障害物がある、特殊な構造をしている(狭小地や不整形地など)、特殊な立地にあるなどの理由で、開発・利用の見込みがなく恒常的に使われていない土地がある。このように、その土地固有の事情によって開発や利用が控えられ、デッドスペース化していると見られる土地のこと。
本記事では、(1)(2)のいずれかに該当する土地を6か所紹介し、それぞれの成り立ちや再利用の可能性について考えてみたい。
(※過去記事:余ってしまった土地を観察する2 〈前編〉 - 空き地図鑑でもこの種の土地を紹介しています。)
① 分割された住宅地
市街地に、長い間開発されることなく放置されている空き地がある。
上の写真は陸橋上から見た空き地の全体像で、雑草に覆われたエリアがその範囲。なお、奥側の雑草が生えていない土地は工場の敷地と見られる。
はじめてここを訪れた際、敷地内に門柱付きの塀が残されていたため、すぐに住宅跡地だと予想がついた。
しかし、その時は、この草地の範囲内に家が立っていたと思い込んでいた。