新緑が美しい季節、住宅街でも魅力的な空き地が多く見られる。
ここに生えている植物が何かはわからないが、同種の草がサラサラと風になびいていて、心地よい空間が生まれている。
「雑草が生えた空き地」と一口に言っても、その植生は様々だ。
雑多な種類の草が生えている空き地もあれば、この場所のようにほぼ単一の植物で覆われている空き地もある。いずれにしても、この時期は、その美しさに思わず見入ってしまう空き地が多い。
しかしながら、実はこの空き地は交通量の多い道に面しており、敷地内は先述したように癒されるのだが、立地としては決して落ち着ける環境ではない。
居心地の良い空き地かどうかの判断は、なかなか難しいものだ。
(no.253 /茨城県)
ニュータウンで見つけた丘の上の空き地。
空が広く見える場所にあり、爽やかな雰囲気が特徴的な場所だ。
反対側の角から見た様子。
空き地の横の道から眺めた様子。昔からある農家と思しき家々と、遠くには水田が見渡せる。
遠方の水田地帯の様子。
この空き地は三角の不整形地だが、庭と駐車スペース付きの家を建てるには十分な広さがある。
空き地の中は定期的に草刈りが行われているようで、きれいに管理されていた。
敷地内に椅子を置いて眼下の景色を眺めたり、寝転んでくつろぎたくなるような長閑な雰囲気の空き地。
(no.254 /茨城県)
先ほどの同じエリアにあった空き地。ここは坂道にあるため段状になっている。周囲に立つ家々を基準にして考えると、全部で4区画分。
下段(2区画分)の空き地。
手前の空き地はこのように雑草が生えているが、奥の一画は芝で整えられているように見えるる。
敷地内はきれいに管理されており、草も刈られたばかりに見える。ただ、クズの葉が生え始めているので、夏以降には敷地を覆ってしまうかもしれない。
そして、ここが上段の2区画。
隅にあるこの区画は、なぜか雑草が刈り取られず放置されている。
他の3区画とは管理者が異なるのだろうか。それとも、単に手間を省くためだろうか。
その隣にあった空き地。ここはきれいに草が刈り取られている。写真左端に車が入るための段差プレートがあるので、ひょっとしたら右隣の家が使っている土地かもしれない。
(no.255 /茨城県)
これも先と同地域にあった空き地。
敷地の右手前に公共汚水桝と見られるマンホールがある。住宅用地として売り出されたものの買い手がついていないのか。あるいは、かつて家が建っていた土地の可能性もある。
敷地内には特に目につくものはほとんどない。端の方にピンク色の花が咲いているくらいだ。しかし、よく見るとタンポポ、クスダマツメクサ、シナダレスズメガヤらしき植物が生えている。もう少し早く訪れていれば、タンポポやツメクサの花で覆われた空き地が見られたのかもしれない。
このように、「雑草が生えた空き地」と一口に言っても、土地によってその姿はまちまちだ。空き地の植生が異なる要因はいくつかあると考えられるが、人為的要因(定期的な草刈りの有無など)、自然的要因(土質や日当たりなど)、時間的要因(空き地になってどれくらい経っているのか)などが複合的に影響していると推測できる。訪れた空き地の植生が、どのようにして形づくられたのか想像してみることも、空き地観賞の面白さだ。
(no.256 /茨城県)
同じく、ニュータウンにある空き地。ここには栗の木と思しき樹木が10本くらい植えられている。地目を固定資産税の高い「宅地」から税率の低い「農地」にしようとして植えた可能性があるが、これくらいの本数で地目が変更できるものなのかよくわからない。
そのような意図はなく、たんに収穫を楽しむために植えただけかもしれない。
この地域では、なぜか空き地に栗の木が植えられていることが多い。
敷地の端には汚水枡と見られるマンホールがあり、土が削られ斜面になっている。何となく思ったことだが、家が建ったらここが駐車スペースになりそうだ。
敷地内には建物や施設を解体した形跡は見あたらないので、おそらく、区画整備されてから一度も開発されたことがない土地ではないだろうか。
(no.257 /茨城県)
樹木が均等に植えられた空き地(冬に撮影)。
おそらくこれも栗の木だろう。先述したように、節税対策で計画的に植えられた可能性と、たんなる趣味のケースが考えられる。敷地内はきれいに管理されており、すっきりして気持ちのいい空間だ。周囲に立つ住宅を基準にすると、家が2軒建てられる広さがある。
(no.258 /茨城県)
先ほどの向かいのY字路にあった空き地。ここは三角形に近い土地なので、有効利用しづらい土地に思える。
ただ、敷地内はそれなりの広さがあり、一軒家を建てるには十分である。
敷地の端には看板がある。どうやらここは売地ではなく、貸地になっているようだ。
(no.259 /茨城県)
この空き地は、手前側の地面が道路と同じ高さに削られている。マンホールを付ける工事の過程でこのような形になったのだろうか。あるいは、将来ここに住宅を建てることを見越して、奥側を建物用地、手前側を駐車場用地と区切ったのかもしれない。
(no.260 /茨城県)
この記事で紹介した中では少し小さめの、正方形に近い空き地。
空き地ごとの植生の違いは冬の地表にも現れている。雑草に詳しい人なら、様々な冬越しの植物を見つけて楽しむこともできるだろう。
右奥の端には小さなカーペットらしきものも敷かれていた。一体何の用途に使われていたのだろうか。
(※以下、2020.7.14.追記。)
夏に通りかかったので再撮影。
雑草に覆われ、きれいな緑の一画になっていた。
(no.261 /茨城県)
求名駅のそばに、やや細長い空き地があった。おそらく、かつては写真左に立ち並ぶ平屋と同じものがここにも立っていたのではないだろうか。
敷地内の様子。
脇の道沿いには、向かいにある平屋と同じ意匠の塀が残されていた。
(no.262 /千葉県)
ここは、新花巻駅近くの住宅街にあった、広めの空き地である。
空き地の手前に側溝の網があり、車がよく乗り上げてしまうせいか注意喚起がされていた。
夜はカラーコーンが点灯していた。
空き地の奥の方は畑として使われていたが、手前側は野原になっている。
この空き地はいろんな種類の草花が生えていた。日光が葉を透過して見える緑、反射してキラキラする葉など、豊かな色が存在している。
(no.263 /岩手県)
この空き地は、あまり雑草刈りなどの手入れはされてないように見える。奥の方には木が立っているのが特徴だ。空き地の中に一本だけ松や栗が植えられているのを見たことがあるが、これはおそらく、どこかから種が飛んできて自然に生えたのだろう。
木の枝には枯れたツルが枝垂れていた。たぶん、去年のクズの葉が這った跡だと思う。こういう整えられていない姿には、庭木にはない魅力があって見ていて飽きない。
(no.264 /岩手県)
同じく、新花巻の住宅街にあった空き地。
これは午前中に撮影した。
そしてこれは夕方に撮った空き地。草がしっとりした印象になっていた。
空き地の中は、シロツメクサのかたまりが森のようになって点在していた。
(no.265 /岩手県)