秋の空き地
(10月7日)
雑草のグラデーション
一般的に、庭などに生える雑草は邪魔者扱いされ、刈られたり、除草剤が撒かれたりして取り除かれてしまう。
空き地においても同様で、定期的に草刈り業者が入ったり、防草シートで地表を覆ったりして繁殖を防いでいる区画が多い。このように嫌われものの雑草だが、なかにはその姿に魅力を感じている人もいるだろう。
上の写真は秋に撮影した住宅街の空き地。一面にイネ科と見られる草(おそらくメヒシバやオヒシバ)が生えており、きれいなグラデーションをつくっていた。
雑草が生えた空き地の魅力や特徴については、今のところ大まかに二つくらい思いつく。
① 空き地ごとに、生えている雑草の姿(植生)が異なること。
→ 空き地の風景に多様性が生まれている。
… 様々な種類の植物が共生してる空き地もあれば、単一の植物が全体を占めている空き地もある。おもに日照条件や土壌条件などが関係して、それらの植生が形成されているのだと思うが、このようなバリエーションの豊かさが雑草の生える空き地の魅力といえるだろう。
② 一つの空き地の中でも、季節ごとに異なる植物の姿(花や草の色)が見られること。
→ 空き地から年月の経過や四季を感じられる。
… 季節によって(あるいは年によって)、それまで目立っていなかった植物が勢い付いたり、一時期だけ綺麗な花が咲いたり、草が鮮やかに色づくこともある。
冒頭の秋の空き地では、ライトレッドの花穂(かすい)をつけた植物が群生していた。そのため、土地全体で眺めるとグリーン→イエロー→レッドのきれいなグラデーションが生まれている。
(11月28日)
上は、11月下旬に撮影した空き地である。 10月に比べるとだいぶ枯れ草が増えてきて、鮮やかに黄葉した雑草もみえる。
このそばには緑の公園があったので、そこから飛んだ落ち葉も溜まっていた。
(11月28日)
同じく11月下旬に撮影した空き地。この空き地には、まだ緑色の草が結構残っていた。隣接する家に配慮してか、敷地内はきれいに管理されている。
(10月7日)
畑と空き地
住宅街の角地にある小さな畑。
この辺りでは、この一区画だけ畑なので周囲の風景から浮いていた。
もちろん、ここは宅地として整備された土地だと思うが、買い手が見つかるまでの間は家庭菜園用に使っているのだろう。
空き地のまま放置して毎年草刈り業者にお金を支払うより、楽しみながらきれいに土地を管理でき、さらに収穫が得られるなら一石二鳥である。
(10月7日)
同じく、住宅街にあった畑として使われている空き地。
左半分は畑に使われているが、
右半分は、雑草が生えたままで使われていない。
空き地にはシンボルツリーがあった。趣があっていいのだが、植えたのではなく自然に生えてきたように見える。
ここは、敷地全体が宅地として売り出し中なのか、それとも半分だけ売り地なのか、あるいは市民農園として将来も残される土地なのかわかりづらい。
いずれにしても、周囲の建ち並ぶ家々と対照的に、ここだけ何となく間が抜けているのが良いところだ。
冬の空き地
(1月5日)
冬(1月)の空き地。
冬になって枯れる草もあれば、なかには枯れずに越冬する草がある。
この空き地は、撮影する少し前までは枯れ草に覆われていた。その後、それが取り除かれ、緑のまま越冬する草が見えるようになった。
(1月30日)
この空き地は草が地表近くまで刈り込まれているが、緑の植物は見当たらなかった。それでも、根が生きている草は多いと思うし、種で冬を越す植物もたくさんいるはずだ。
(1月30日)
この空き地は 、表面が枯れ草で覆われていた。しかし、その下にはところどころ緑の草がみえる。個人的には、このように枯れ草のまま放置されているほうが好みだ。
場所によっては、波のような面白い造形がみられる。
丘に造られた階段状の空き地である。
この辺りは宅地開発が盛んな地域だ。撮影した時も、近くで数軒の家が建てられていた。
丘の上の部分にあった空き地。 夏に伸びていた草は取り除かれ、それぞれの土地の形がはっきり見えた。この付近では、緑の雑草はほとんど見あたらない。
(2月9日)
同じく、丘の一番上にあった空き地。
(2月9日)
この空き地も、秋に短く刈り込まれたようだ。こういう空き地は、冬にみると寒々しい感じもする。
しかし、撮影した時はたまたま夕日が反射し、地面がきれいな黄金色になっていた。
(上からno.171〜no.180 /全て茨城県で撮影。)