空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

使われていない植栽地3

 

植物を育てるには、水やり、雑草とり、土の栄養管理など何かと手間がかかる。

はじめはちゃんと手入れされていたのに、徐々に飽きられたり、面倒に思われて、いつの間にか放って置かれてしまうこともあるだろう。また、生育し過ぎた植物が厄介者扱いされ、取り除かれてしまうケースもある。

ここでは、そのような、何らかの理由で使われなくなってしまった植栽地を紹介したい。

紹介する中には、長い間放置されているような所もあるし、短期間だけ使われていない場所もある。

多くは誰からも見向きもされず寂しい佇まいをしているが、なかには自然に生えた雑草が魅力的な姿を見せてくれることもある。

  

雑草の箱庭

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これは、集合住宅(一階は店舗とみられる)の玄関前にあった花壇である。

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黄色の草がカタバミで、赤味がかった草はアカカタバミだろう。緑の大きめの葉は、ハルジオンかヒメジョオンにみえる。細い葉をしたスズメノカタビラもわずかにあった。

こういう場所は、つい箱庭的な視点で眺めてしまう。

カタバミで埋まっている森のようなエリア、平地のようなエリアなど、四角く限られた範囲にも様々な変化があって面白い。

 (no.229 東京都小金井市

 

高級雑草花壇

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百貨店の前にあった使われていない花壇。

撮影したのは冬(2018年12月)だが、少なくとも同年初夏から使われないまま放置されている。

また、夏の時点では、雑草がわずかしか生えておらず土の部分も多く見えていたが、現在は区画いっぱいに繁殖している。

f:id:akichiniiko:20181221221524j:plain高級感漂う黒の大理石に、緑が映えて美しい。

一見、これらは越冬する園芸種にも思えた。しかし、図鑑で調べてみると、黄緑色の草はノヂシャ(野萵苣:欧米ではサラダにして食べる。)と呼ばれる帰化植物(雑草)のようで、やや濃い緑色の草はウラジロチチコグサ、あるいは、春の七草にも使われるハハコグサの越冬期の姿のようだった。

  (no.230 東京都武蔵野市

 

使われなくなった植樹桝(しょくじゅます)

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街路樹が切られ、放って置かれた植樹桝があった。二つとも似ているが、それぞれ別のものである。 

もともと、ここにはハナミズキが植えられていたようだ。

いずれ新しい木に植え替えられるかもしれないが、コンクリートで桝そのものが塗り潰されてしまう可能性もある。時々、街を歩いていると、コンクリートで塞がれてしまったその痕跡を見かける。

(no.231〜232 茨城県龍ケ崎市

 

寂しい佇まいの空き花壇

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街中にある使われていない花壇でも、雑草が繁生していると、その生命力に目を引かれることがある。

しかし、このように土の部分が多いと寒々しく、一層寂しさを感じるものである。

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この通りには、街路樹が植えられた花壇が連なって存在する。しかし、なぜかこの空き花壇だけが他より小さかった。隣にある白いベンチとセットでつくられたものかもしれない。

(no.233 茨城県龍ケ崎市

 

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この花壇も、すっかり存在を忘れられているかのようだった。

コンビニと歩道の境界に設けられ、かつてはツツジなどの低木が植えられていたのだろう。

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しかし、歩行者にしてみれば、ここに何もない方がコンビニに入りやすそうだ。

こうして考えると、ここにあった植物は自然に枯れて無くなったのではなく、意図的に取り除かれたとも考えられる。

(no.234 東京都小金井市) 

 

f:id:akichiniiko:20190208194818j:plain不動産会社の店舗にあった使われていない花壇である。

ここも枯れ草ばかりで侘しい雰囲気だった。

花壇のつくりとしては建物外壁に合う色のレンガが使われていて、こだわりが感じられる。

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店の外観は趣向を凝らしている。花壇は対になって奥にもあり、そこは現在も使われているようだった。

(no.235 東京都小金井市)  


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これは、集合住宅の入口付近にあった花壇らしきものである。

この記事の中では一番侘しい佇まいをしていた。

園芸用土が入っているが植物の姿はない。

風に運ばれてきたのか、花壇には無関係な「避難器具」の標識がある。いかにも無用な場所らしい雰囲気を醸し出している。

犬の散歩マナーに関するパネルも置かれているが、たしかにこのサイズや形を見れば、犬猫用トイレと勘違いしてしまいそうである。

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夜だったので確認しづらかったが、よく見ると木の切り株のようなものがあった。太さからすると、2、3メートルくらいの低木が生えていたのだろう。

しかし、ここは建物の入口である。おそらく、成長した木が邪魔になり切られてしまったと考えられる。

(no.236 東京都台東区

 

工事ネットサークル

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芝生エリアが工事ネットで円状に囲われていた。

囲われた範囲はそれなりに広く、なかなかインパクトがあった。

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この公園は、週末になると近くの集合住宅に住む親子連れが利用し、賑やかになる。

おそらく、今まではこの芝生エリアにも自由に入れたのだろう。しかし長い間人に踏まれて痛んでしまったため、植え替え工事が必要になったようだ。

しかしひょっとしたら、ここは新しく設計し直され、草木が植えられたり、遊具が設置されるかもしれない。 

f:id:akichiniiko:20181103214039j:plain遠くから見ても目立つ。不思議な、結界された土地のようでもある。

(no.237 東京都小金井市

 

駅前ロータリーの空き花壇

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巣鴨駅前のロータリーにあった使われていない花壇である。

大きな円形植栽地の中に、3つの小さな円型花壇があり、初夏(6月)に訪れた際は使われていなかった。これから真夏に向かうので栽培を休んでいるのだろう。おそらく春、秋限定で使われているのではないだろうか。

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花壇の管理は、巣鴨一丁目花を愛する会 の皆さんが行っているらしい。

f:id:akichiniiko:20181224220401j:plain一つ目の使われていない円型花壇。雑草がけっこう生えている。

f:id:akichiniiko:20190103194241j:plain二つ目の花壇。こっちは草は少ない。

f:id:akichiniiko:20181224220421j:plainf:id:akichiniiko:20181224220426j:plainそして、三つ目は花壇と防火水槽が一体化していた。 

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植栽地の中には、町会や商店会などによるクリーン運動予定表や

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水道とホースも備えられていた。

ここは管理者が公開されているし、常にきれいに維持されているようだ。

「使われていない植栽地」ではあるものの、花を植える会員の姿や、植えられたあとの様子など「使われている状態」が想像しやすい空き地だった。

 (no. 238 東京都豊島区)

 

 余った土地の農地利用

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最後に、「使われている植栽地」だが姿が気になったので紹介したい。

ここは現在、駐車場として使われている土地である。

しかし、このとおり門扉や外構の一部が残されており、もともと内部には家が建っていたと推測できる。(現在は門扉を中心に、左右の土地とも駐車場)。

f:id:akichiniiko:20181230145519j:plainこの門扉の前に、細長い植栽地があった。

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おそらくこの土地は、駐車場をつくった過程で余ってしまったのだろう。

f:id:akichiniiko:20181230145133j:plain見えづらいが、地面には植物の芽が出ていた。

なお、写真の上(奥)の方にも空き地が続いていて、そこはすでに畑として利用されていた。

f:id:akichiniiko:20181230152046j:plainそして、これは1ヶ月後の様子。だいぶ芽が成長している。

f:id:akichiniiko:20181230152111j:plain奥の畑と同様に、野菜を育てているのではないだろうか。

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駐車場の奥ではトウモロコシが栽培されていた。

門扉が残された景観といい、細長い姿といい、余った土地の面白い利用例だった。

 (千葉県柏市