空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

無名の遺跡10 カーポートらしき跡地 / 工業所跡地

カーポートらしき跡地

駐車場で左右を挟まれた不思議な空き地。

過去の空中写真(2008年)*1を確認すると、元々は右隣の土地に民家が立っており、この空き地はその敷地の一部だったようだ。

過去の用途は判然としないが、残された痕跡から推測するとカーポートだったと考えられる。

敷地内はコンクリート舗装され、手前側には車止めと思しき段差が残っている。

また、敷地の右端には蛇口の土台と見られる石柱もある。

この空き地の大きな特徴は、地面が30センチくらい陥没している点だ。もしかしたら、2011年の地震によってこうなってしまったのかもしれない。

撮影時には気付かなかったが、空中写真を見ると敷地の奥行きが15メートルくらいあることがわかった。ただ、奥側の土地は舗装されていない様子で、雑木に占拠されてしまっている。

手前側のコンクリート舗装された土地は、かろうじて植物の侵入を阻止できているが、すでにひび割れには木が生えてきている。このまま放っておけば、やがて残されたコンクリートも根で壊され、緑に埋もれてしまうだろう。

(no.538 茨城県)

 

 

工業所跡地

ここには元々金属工業所があったが、今年の1月に解体されてしまった。

偶然、その解体工事中に通りかかったので内部の様子が観察できた。

そして、これが解体直後の様子。

まだ基礎のコンクリートが残っているが、これもこれから解体・撤去されるのかもしれない。あるいは、残地物のある土地として売りに出される可能性もある。

いずれにしても、この時はまだ清掃作業までは完了していない様子で、所々に瓦礫が残っている。

端に集められた大きめのコンクリート片。

敷地の奥にはビニールシートに包まれた塊が置いてある。おそらく、ガラ(建設廃材)を集めたものだろう。

ここには掃除用のゴムホースやほうきなどが置かれている。

この空き地は、住宅と工場が混在するエリアにあり、駅からもそれほど離れていない。土地の需要はありそうなので、意外と早く事業所や住宅などが新設されるのではないだろうか。

(no.539 東京都)

 

*1:参照:国土地理院「地理院地図」https://maps.gsi.go.jpで2008年の空中写真を参照。(2024.2.10.閲覧)