空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

商業地域の空き地

 

武蔵境駅付近の空き地   

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商業地域*1にも空き地が残されていたり、店などが解体されて新たに空き地ができることがある。

上は、JR中央線の武蔵境駅近くにあった空き地である。

駅前はほとんど開発されており、商業ビルやマンションなどが立ち並んでいる。

そのため、この付近で目にする緑といえば、計画的に植えられ管理されている街路樹や芝などの見た目のよい自然物だけだ。

そんな中で、空き地に生える雑草だけがありのままの自然の姿をしており、周囲の風景に馴染まずに目立っていた。

ここは、雑草の生命力の逞しさが感じられる場所だったが、同時に、開発から取り残されたような、寂しさを感じさせる空間でもあった。

 

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(no.109 武蔵境駅付近の空き地 / 東京都武蔵野市)

  

 

武蔵小金井駅付近の空き地   

武蔵小金井駅付近の線路沿いにあった空き地である。

撮影した時は、駅付近では再開発工事が行なわれていた。

 

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この空き地の左右の土地は、駐輪場として使われていた。しかし、なぜかここだけは、少なくとも2007年頃からこの状態のまま残されてきたようだ *2

しかし、最近になって、ついにこの空き地に4階建ての建物がたてられ、土地の右側には奥の高架線路に向かう道路が通されていた。  

(no.110 武蔵小金井駅付近の空き地 / 東京都小金井市) 

  

  

秋葉原の空き地 ① 

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これは秋葉原駅近くにあった空き地。

以前は建物が建っていたが、最近解体され、一時的に空き地になっていたらしい。

しかし、撮影した時は「建築計画のお知らせ」の標識が掲げられ、新しく建物が建てられようとしていた。

工事は始まったばかりにみえるので、これは空き地が無くなりつつある風景といえる。

また、空き地の左奥には小さな社のようなものが見える。以前建っていた建物に付属していたのだとしたら、これも除かれるはずだが、そうではないことからすると、隣か奥のビルが所有しているのだろう。

 

ところで、建築の分野には詳しくないが、日本における建物の建て替え頻度は、海外に比べると多いのだろうか?

時代や地域(国)によって、建物を建て替えるスパンが様々だとすれば、建て替えに伴う空き地の出現頻度も、時代や地域によって様々である。

そうだとすれば、当然、それぞれの時代や地域によって、空き地の意味合いも異なってくるはずだ。

たとえば、十数年に一度、定期的に住居を建て替える地域の人たちと、百年以上住居を建て替えない地域の人たちとでは、空き地(建物跡地)に抱く感情は全く異なるだろう。

勝手な推測だが、前者にとって建物跡地は見慣れた存在であり、単に住まい再生の一段階として捉えられるかもしれない。しかし、後者にとって建物跡地は、見慣れない風景であり、歴史や伝統の喪失として捉えられる可能性がある。

 (no.111 秋葉原駅付近の空き地 / 東京都千代田区) 

 

 

秋葉原の空き地 ②  

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この空き地も、秋葉原駅の近く、中央通りに面した場所にあった。

ここは、繁華街で人通りが多く、アニメ・ゲーム関連の店、電器店、飲食店などが建ち並んでいる。また、日本人だけでなく外国人観光客の姿も多い。

以前、この場所にはゲーム・DVDショップがあったようだ。

この空き地ができたことで、今まで人目に触れることのなかったビルの壁があらわになっている。

改めてよく観察してみると、ビルによって異なる壁の色や質感、また、配管、窓、隙間の造形の面白さに気付かされる。

 

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地面には新しめのアスファルトが敷かれているので、最近整地されたばかりと思われる。

アスファルトで覆うということは、これから駐車場にでもなるのだろうか。それとも、単なる雑草対策なのだろうか?

(no.112 秋葉原駅付近の空き地 / 東京都千代田区)

 

*1:ここでは「商業地域」と「近隣商業地域」を指す。

*2:Google Earth(構築日2016年9月6日)の、2007年3月31日の航空写真を確認。