樹木が立つ空き地
住宅街に、長い間人の手が入ってなさそうな空き地があった。
空き地の中で一際目を引いたのがこの木。
ここまで成長するにはどれくらいかかるだろうか。成長が早い木だとしても、3年以上は放って置かれているように見える。
隣家にとっては雑草が迷惑になっているかもしれないし、電線と樹木の接触による漏電等の危険性を考えればこれは決して好ましい状態ではないだろう。ただ、住宅が整然と立ち並ぶ環境に自然の生命力を感じられる一画がポツンと存在する風景は大変魅力的である。
(no.332 茨城県)
新興住宅地にあった横に長い空き地。
右奥へ4区画分くらい空き地が連なっているが、このうち3区画に樹木が立っていた。
しかし、どのような経緯で生えているかは不明である。
庭や畑だった頃に植えられたものかもしれないし、宅地造成される前から自然に生えていたものかもしれない。
上の写真のように、手前の区画では低木が二本寄り添って立っていた。
反対側から撮影。
イヌツゲか、ウバメガシだろうか。生垣によく使われる木なので、かつてここは家の庭だった可能性がある。
この隣の区画には立派な木が生えていた。しかし、この土地は隣接する家が畑として利用しているようだ。
さらに隣の区画を見てみると、そこには松の木が生えていた。
剪定されていない樹形は見ていて癒される。
松の木の隣の区画。
奥のほうに空き地の端が見えてきた。
反対側から撮影。この区画はほとんど緑がない。
そして、ここが一番端の区画。
他の空き地とは異なり、雑草が伸びたままにされている。おそらく管理者が異なるのだろう。
中はススキの野原になっていて、奥の方まで空き地が続いていた。
(no.333 茨城県)
2区画分の空き地である。このうち、奥の区画には栗と柿の木が植えられていた。
こちら側の空き地には何も植えられていない。左隣の区画とは所有者が異なるのかもしれない。
そして、この空き地の中央には栗の木が3本、道路沿いには小さな柿の木が植えられている。
地面には栗のイガがたくさん落ちていた。
端の方に植えられた柿の木。まだ小さいので、この1、2年の間に苗が植えられたのではないだろうか。
この土地の地目が「宅地」なのか「畑」になっているのか気になるところだ。
(no.334 茨城県)
看板が立つ空き地
学習塾の看板が立つ空き地。
敷地が三角形なので買い手がつきにくいかもしれないが、庭付きの家を建てるには十分な広さがある。
反対側から撮影。
敷地内には枯れ枝が集められた形跡があり、捨てられたものと考えられる暗色のプラスチック板、ひこばえの生えた株などがあった。この株は空き地の中に3つか4つあった。
木が立っていた頃の空き地は、どんな姿をしていただろう。
(no.335 茨城県龍ケ崎市)
この空き地の端には洗車場と岩盤浴の看板が立っていた。
ある貸し看板会社のプランを参照すると、一つの目安として、広告主がいれば年に180,000円くらいの収入が得られるそうだ*1。
この空き地の地目は、おそらく固定資産税が最も高い「宅地」だと思われるので、負担を軽減するために看板を設けたのだと思う。
また、この空き地はビニールテープのような紐で地面が区分けられていた。右側に張られた紐は隣の土地との境界線と考えられる。
隣の区画の様子。奥の方には、下の写真のように小さく区分けされた場所があった。
この小さい区分け方を見る限り、紐は敷地の境界線ではなさそうだ。家を建てる前に建物の位置を決める縄張りが行われることがあるが、これがそうなのだろうか。
将来何ができるのか気になる空き地である。
(no.336 茨城県)
この空き地には、敷地の隅に幼稚園の看板が立っていた。
この辺りは新興住宅地なので、空き地からも明るい印象を受ける。
なお、古い街にある空き地を訪れても、このような明るさはほとんど感じられない。
たとえば下の二つの空き地は、どちらも50年以上人が住み続けている街にある。
左側の空き地には、塀の基礎部分、建物の解体で出たと思われる瓦礫、玄関口と思しき痕跡などが残されていた。
一方、右側の空き地には過去の痕跡がほとんど残されていなかったが、周りには古い建物が建ち並んでいた。その様子から、かつてここにも周囲と同じような家が建っていたことが推測できた。
このように、古い街と新しい街とでは空き地の佇まいは異なる。そして、たとえ敷地内に過去の痕跡が残されていなくても、古い街の空き地には独特の暗さを感じることが多い。この差は写真だけではわかりづらく、実際に訪れてみるとよくわかることだと思う。
(no.337 茨城県)
地面が高い空き地
この空き地も、これまで紹介した樹木や看板が立つ空き地と同じ街にある。
そして、この地域にある空き地の多くは、土地の高さが道路より少し高くなっている。
他の地域では道路と同じ高さの空き地も多いが、この違いはどうして生まれるのだろうか。たまたまなのか、それともこの辺りは盛土で造成された土地なのだろうか。
(no.338 茨城県)
坂道の途中にあった空き地。おそらく、宅地造成が行われてから一度も利用されていない土地だと思う。周囲に立つ家もきれいで、比較的最近建てられたように見える。
斜面を造成する際は、土を切り取って平らにする切土(きりど)や、土を加えて水平な地面を作る盛土(もりど)という方法がある。そして、がけ崩れなどの災害の恐れが大きい場所は宅地造成工事規制区域に指定され、そこでは工事の際に都道府県知事の許可が必要になる*2。(ここが規制区域にあたるかは不明。)
奥には、家が4メートルくらいの崖上にいくつも立っている。ひな壇型の土地に立つ家や空き地を眺めていると、なぜか開放的な気分になれる。
(no.339 茨城県)
ここも先の空き地と同じ道沿いにあり、理容店とドラッグストアに挟まれている。
横幅は少し短いが奥行きがあり、家を建てるなら庭や駐車場もつくれそうだ。
敷地内には看板らしきものが倒れていた。おそらく「売地」の標識だと思う。
また、前日に降った雨でいくつか水たまりもできていた。
(no.340 茨城県)
一部だけ砂利が敷かれた空き地
やや広めの空き地である。庭や駐車場付きの家が4軒くらい建てられそうだ。
敷地の一部に、このように砂利の道がつくられていた。おそらく工事車両が入る道だろう。ここには戸建て住宅ではなく、何か大きな建物や施設ができるのかもしれない。
空き地の端(写真右奥)にも砂利が敷かれた場所があるが、そこは駐車場として利用されている。
敷地内はまばらに雑草が生えており、一見したところ目につくものはない。
ところが、よく見たら奥にポールが立っていることに気づいた。
ポールが並んでいる場所を境に、手前と奥とで地面の様子が変わっている。したがって、そこが敷地の境界であり、手前側の空き地だけこれから開発されると考えられる。
(no.341 茨城県)
空き地 / ゲートボール場
丘の上のほうにあった広めの空き地である。
写真右手前にマンホールが見える。おそらく、ここは宅地として造成された土地だろう。
そして、写真右奥の端から撮影したのが下の写真である。
この空き地は斜面にあるので、低いほうの土地には土が盛られている。
敷地内は殺風景で、一見したところ変わったところはない。
しかし草の様子を観察していたら、地面にロープが張られていることに気がついた。
ロープでスペースを区切った駐車場を見たことがあるが、ここもそうなのだろうか。
不思議に思いながら、空き地の反対の角まで来ると標識が立っていた。
ここは家を建てるための土地ではなく、ゲートボール場だったのだ。
おそらく、さっきのロープはコートの境界を示していたのだろう。
それにしても簡素なつくりのゲートボール場である。周囲にフェンスも設けられていないし、ベンチもない。宅地造成された土地をそのまま使っているようだ。
今も実際に使われているのだろうか。
(no.342 茨城県)
子供の遊び場と空き地
個人的に、子供時代を思い出してしまった空き地。
当時住んでいた街にはいくつも空き地があり、中に入って雑草を眺めたり、虫やカナヘビをつかまえたり、土や石ころをいじったりして遊んでいた。
遊び場にしていた空き地のなかには、この場所のように、時間の経過とともに影が入り込んでくるところがあった。そして、影が敷地の半分くらいを占めると何となく寂しい気持ちになり、他の空き地に遊び場を移していた。しかし夏の暑い日は、空き地の中の日影がお気に入りの場所でもあった。
ここは、そんな当時の記憶を思い出させてくれた空き地である。
(no.343 茨城県)
*1:参照:株式会社オーエスアート ウェブページ「ROAD SIGN 貸し看板」https://www.os-art.co.jp/roadsign/、2020年2月3日閲覧。なおこの参照元によれば、広告主がいない場合でも年に最低24,000円くらいの収入が得られるようだ。
*2:出典:e-Govウェブサイト「宅地造成等規制法」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=336AC0000000191#43