この公園のような原っぱは、東京都町田市にある縄文時代の遺跡である。
遺跡とはいうものの、現在は雑草に覆われて何も見えない。しかし、この下から約5000年〜2800年前(縄文時代中期から晩期)につくられた竪穴住居の跡や土坑(どこう)が見つかっている*1。
そのため、ここは空き地にしか見えないが、文化財として市に保護されている土地なのである。
なお、写真右の小道を進むと、以前このブログでも紹介したストーンサークルのレプリカがある。↓
※ ストーンサークルと、この場所(田端環状積石遺構)についてまとめた記事。↓
史跡内部の様子。
一見してどこの公園にもありそうな、特徴のない原っぱである。
遺構は地中にあるので、確認することはできない。現地の標識によれば、史跡の保護のために盛土保存され、このような形になっているようだ。
空き地の隅には雑草に埋れつつあるベンチがあった。
通りからみた遺跡入口の様子。
この遺跡は住宅街の中にある。ストーンサークルのレプリカや案内標識がなければ、公園にしかみえないだろう。
このように、史跡の中には古い遺構が地表に残っておらず、一見するとただの空き地なのに、実は文化財として保護されているケースも多い。
私たちが何気なく利用している公園や広場も、調べてみればそんな場所かもしれない。
(no.84 田端・田端東遺跡 / 東京都町田市)
*1:町田市教育委員会設置の現地標識による。