空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

玉城城跡の拝所 塩川付近の拝所

 

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上は、玉城(たまぐすく)城内にあった拝所(うがんじゅ)の空き地である。

現地の標識*1によれば、城の築城年代や歴代の城主は定かになっておらず、この城は創世神のアマミキヨが築いたという伝説もあるそうだ。

なお、城内にはこの拝所の他に「天つぎあまつぎの御嶽」があり、そこで雨乞いの儀式が行なわれていたという*2。写真の拝所では、どのような儀式が行われていたかはわからないが、同じように雨乞いに関連する儀式が行われていたのかもしれない。

 

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空き地の正面奥には、石の祭壇のようなものがあった。↑

これまで私が訪れた御嶽の中には、現在は使われていないようにみえる所でも、よく見ると線香を燃やした跡や供え物が置かれた跡などが残っていることも多かった。ここにはその痕跡はなかったが、ひょっとしたら今も時々使われているのかもしれない。

 

なお、玉城城の入口は、岩をくりぬいた特殊な門になっている ↓

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  (no.58 玉城城内の拝所 沖縄県南城市)  

 

 

  塩川(しおかわ)付近の拝所

 

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薮や岩壁にかこまれたこの空き地は、国の天然記念物の「塩川(しおかわ)」に隣接する拝所である。

現地の標識*3によれば、「塩川」は名前のとおり、塩水が湧水して流れる川で、このような川は世界でこことプエルトリコにしかないようだ。

この拝所については、調べている途中なので詳しくはわからないが、おそらく塩川の泉や写真にある特徴的な形の自然石を祀っていると考えられる。また、現在は地面がコンクリートで整備されているが、昔は土の状態だったのだろう。

訪れた時には誰もおらず、静かで、何となく畏れを抱かせるような雰囲気のある場所だった。

 

 (no.59 塩川付近の拝所 沖縄県国頭郡本部町)

 

  

 

 

*1:玉城村と沖縄県の教育委員会が設置

*2:湧上元雄、大城秀子『沖縄の聖地 拝所と御嶽』、むぎ社、2010年(1997年第一刷)、52〜53頁参照。

*3:本部町教育委員会設置