畑作が中断され、一時的にデッドスペース化している土地がある。
上と下の写真は、沖縄にあり、いずれも休耕地と思われる。
畑作を中断する理由としては、畑を休ませて栄養のある土をつくる目的があり、場所によっては緑肥にする植物が栽培されることもある。
沖縄県の緑肥栽培に関する指針*1によれば、春から夏にかけて休んでいる畑では、イネ科のソルゴーやマメ科のクロタラリアなどが栽培されるそうだ。写真はどちらも夏に撮影したものだが、ここに生えている草が緑肥であるかどうかはわからない。ひょっとしたら、ただの雑草かもしれない。
上の写真の休耕地周辺には、目立つものがなく、草原と空だけのシンプルな景色が広がっていた。
建物や人物が風景の中にあると、それらが主役になることが多く、その場合空は背景として見られるかもしれない。しかし、目立つものがない休耕地は、空と空き地がともに主役となって引き立て合い、広がりを感じさせる心地よい景色を見せてくれる。
下の写真は、千葉県の水田地帯にあった2区画分の休耕地と思われる場所だ。田植えが始まる時期に撮影したため、周囲の水田はきれいに耕されていたが、ここだけは手がつけられていないようだった。
ここに生えているのは、たぶん雑草だろう。
(no57. 千葉県大網白里市)
一度に広い面積を収穫するのは大変なので、負担軽減の目的で、一部の土地だけ田植えの時期をずらすこともあるようだ。
また、栽培時期をずらす理由として、飼料用米などをはじめ、異なる品種の稲を栽培するケースや、病害虫や自然災害による全滅のリスクを回避する目的も考えられるだろう。
*1:「おきなわの緑肥(沖縄県緑肥栽培利用指針:平成18年3月)」沖縄県農林水産部、平成18年3月。参照:沖縄県ホームページ
http://www.pref.okinawa.jp/site/norin/eino/kankyo/documents/ryokuhisaibaisisin1.pdf