空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。      (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

クバの御嶽(くばのうたき)

 

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写真は、沖縄県国頭郡今帰仁村(くにがみぐんなきじんそん)にあるクバの御嶽にある空き地である。

村が設置した標識によれば、年に2回、この御嶽に神職や村人たちが集まり、子孫繁栄や航海安全などを祈願するようだ。

ここは、森に覆われた丘全体が聖域にあたり、沖縄の中で最大の御嶽とされている*1

森の入口から細い薮道を進んでいくと、突然視界が開かれ、上の空き地が現れる。

この空き地は、祭場として使われているようだが*2ひょっとしたら祈りを捧げる場所ではなく、参拝者の待機所や休憩所などに使われているのかもしれない。

というのは、上の写真の左奥にある細い道を進むと、香炉などが積まれている拝所に出るからだ(下の写真)。 しかし、村人が参加する祭祀では、当然参拝者の数も多くなるだろうから、その際は上の空き地も祈りの場に使われるのだろう。

儀式の様子がわからないので、以上はあくまで推測である。

しかし、自然の空き地がそのままの状態で維持され、今でも祭祀場として利用されていることは新鮮な驚きだった。

なお、『沖縄の聖地』の解説によれば、下の写真の拝所の前で、儀式終了後に参詣者たちが祝宴を行なうようである*3

 ここにも、広くはないが、ちょっとした空き地が確保されていた。

 

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(no.50 クバの御嶽 / 沖縄県国頭郡今帰仁村

 

 

参考資料湧上元雄、大城秀子『沖縄の聖地』


 

*1:湧上元雄、大城秀子『沖縄の聖地』、むぎ社、2010年(1997年第一刷)、31頁参照。

*2:同上、32頁の地図を参照。

*3:同上、35頁参照。