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空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。      (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

公開空地や広場 1

ルールによってつくられる空き地 – 多目的スペースの空き地

 

建築基準法都市計画法都市再開発法などにもとづいて、企業ビルやマンションなどの敷地内に「公開空地」あるいは「有効空地」とよばれるオープンスペースがつくられ、人々が自由に通行もしくは利用することができる場所として一般に開放されている*1

また、こうしたオープンスペースのいくつかでは、定期的にフリーマーケットや公演などが開催されることもある。

なお、「公開空地」や「有効空地」と呼ばれていなくても、施設の敷地内に人々が自由に利用できる広場が設けられていることもある。

 

新宿野村ビル前の公開空地

 下の写真は、新宿野村ビル前の公開空地である。

この公開空地の特徴は、中央に植えられた背の高い樹木を中心に、何本もの樹木が石造りの植栽スペースに規則正しく植えられていることである。そのためか、ビルに囲まれた幾何学式庭園のようにもみえる。

 また、まとまった樹木の存在は、緑の少ない都市の中に一つの癒しの空間を生み出している。

普段は、周辺のビルに勤務する人たちのための休憩スペースとして使われているようであり、撮影時にはベンチで休憩する人たちや弁当を広げている人たちを見かけた。

しかし、災害時には一時避難所になるので、オフィス街の中の重要な防災機能を備えた場所といえるだろう。 

 

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(no.26 新宿野村ビル前(東京都新宿区))

 

 

落ち着いた雰囲気の休憩スペース

 

都心では、しばしば高層ビルの横にオープンスペースが取られているのを見かける。

これらのオープンスペースは、たいていは整地され、コンクリートや石のタイルが地面を覆っている。そのような場所において、樹木の緑が少ないと、そこは無機質な印象を見る者に与え、やすらぎを感じさせない。

また、利用する人や通行する人が少ない場合は、侘しい印象を与えるだろう。

あるいは、このようなオープンスペースのすぐそばに高層ビルがそびえ立っていると、圧迫感を感じることもある。

 

しかし、下の写真のオープンスペースには、ビル街の中にありながら落ち着いた雰囲気がある。

ここは、周囲を道路に取り囲まれた小島のような場所にあり、誰でも利用できる円形の休憩スペースが設けられている。ここに、暖かみを感じさせるレンガ調のタイルが敷かれ、樹木が植えられ周囲の視界を適度に遮っている。

このように、様々な配慮のもとに設計されているおかげで、利用者は落ち着いてくつろぐことができるだろう。

 

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(no.27 ヒルトン東京付近の公開空地(東京都新宿区))

 

*1:「公開空地」とは、建築基準法第59条の2にもとづいてつくられる歩行者が自由に通行したり利用できる場所である。(土肥博至監修・建築デザイン研究会編『建築デザイン用語辞典』井上書院、2009年、「公開空地」129頁参照。)なお、建築基準法第59条の2に則して敷地内に「公開空地」を設けることで、建築する上でのいくつかの制限が一般基準を超えて許されるようになる。そして、この制度を「総合設計制度」とよぶ。(彰国社編『建築大辞典 第2版 普及版』彰国社、1993年、「そうごうせっけいせいど[総合設計制度]」935頁および、一般社団法人東京建築士会監修・東京建築士会法規委員会編『2015年版 建築基準法規集』、新日本法規出版、2014年、「(敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例)」64頁を参照。)なお、「有効空地」も「公開空地」とほぼ同じで、歩行者が自由に通行したり、利用できる空間である。(前掲、土肥博至監修・建築デザイン研究会編『建築デザイン用語辞典』、「公開空地」129頁参照。)