空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

余ってしまった土地4

中央線高架下の空き地 JRの中央本線の高架下(武蔵小金井駅近く)に、魅力的な空き地ができていた。 上の写真は立川方面に伸びる中央線の高架である。 以前、こことは別に、中央線の高架下にできた空き地を紹介したことがある。そこは150メートル以上にわたっ…

使われていない植栽地2

多摩動物公園にある空き植栽地 道路、公園、住宅地などの様々な場所に、草花や樹木を植えるための植栽地*1が設けられている。 これは、多摩動物公園(オオカミのスペース前)にあった使われていない植栽地。 ご覧のとおり雑草花壇になっている。大きめの草は…

中央帯の空き地2(南多摩尾根幹線道路/ みなみたまおねかんせんどうろ)

大きな中央帯の空き地を撮影しに、南多摩尾根幹線道路(みなみたまおねかんせんどうろ)を訪れた*1 。 南多摩尾根幹線道路は、多摩ニュータウンの南側に位置し、東西方向に伸びる道路だ。 道路の延長は約16.6㎞あり*2、このうち幅の広い緑の中央帯があるのは…

Picotachi 参加のお知らせ(Pico Pico Cafe)

5月26日(土)、吉祥寺のPico Pico Cafeさん主催のPicotachi#53に参加します。 Picotachiは、実験的で個人的なプロジェクトを発表したり、情報交換したりするイベントです。 これまで見てきた空き地について、ダイジェストのようなものを5〜10分くらいで発表…

余ってしまった土地3

使われなくなった出入り口(トマソンの空き地) デパートの一画に長い間使われていないデッドスペースがあった。 このデパートは2016年に閉店した「そごう柏」で、黄色いチェーンがかかってる内側のスペース(階段や三角形のスペース)は閉店にともなって閉…

住宅街の空き地3

秋の空き地 (10月7日) 雑草のグラデーション 一般的に、庭などに生える雑草は邪魔者扱いされ、刈られたり、除草剤が撒かれたりして取り除かれてしまう。 空き地においても同様で、定期的に草刈り業者が入ったり、防草シートで地表を覆ったりして繁殖を防い…

住宅街の空き地2  – 空き地の雑草

(4月24日撮影 no.157/茨城県) 住んでいる環境が、人の心理に与える影響は大きいだろう。 室内環境だけでなく屋外環境からも、人は日々何らかの影響を受けているのではないだろうか。 たとえば、家の周りに緑があるかどうかや、自宅から隣の家まで空間的な…

薮薩御嶽(やぶさつうたき) 

沖縄県南城市の海に面した崖の上に「薮薩御嶽(やぶさつうたき)」がある。 ここは琉球王国時代、国王の巡礼地の一つだった聖域だ*1。 7月半ばの猛暑日、那覇市から路線バスを乗り継いでこの地を訪れた。 事前に調べたところ、御嶽の近くに「Cafeやぶさち」…

動物園の空き地

吉祥寺駅から徒歩10分くらいの場所に、井の頭自然文化園がある。 この公園は、動物園と水生物園に分かれていて、規模は小さいながらも落ち着いた雰囲気があり、人気が高い。 大型の動物は少ないが、リス、アライグマ、フェネック、ヤマネコ、鹿などが見られ…

【お知らせ】第二十五回文学フリマ東京に参加します。

「第二十五回文学フリマ東京」にて、空き地の冊子を販売します。 c.bunfree.net 日時:2017年11月23日(木)11:00〜17:00 会場:東京流通センター 第二展示場 東京のレンタルスペース・東京流通センター(TRC) A4フルカラー(26ページ)、900円にて販売予定…

商業地域の空き地 2 − 再開発工事で生まれた空き地

(no.143 武蔵小金井駅近くの空き地) 上の写真は、再開発工事が進むエリアで見つけた空き地。 敷地内はアスファルト舗装されたところと砂利が敷かれたところが混在している。おそらく、かつて別々だった土地が、区画整理の計画に沿って新しく区分けられたの…

余ってしまった土地2

サービスエリアの無用空間 上里サービスエリア(埼玉)の建物裏に、魅力的な佇まいの空き地があった。 このサービスエリアには、ガソリンスタンド、カフェ、レストラン、ベーカリー、土産物売り場、休憩所、ATM、宝くじ売り場まであり、施設内は人が多く賑や…

出来立ての空き地

建物の解体が終わりに近づき、空き地が新たにできつつある風景に出会った。 以前建っていたものが何なのかはわからないが、道路側にはまだ階段、タイル、花壇が残されており、わずかに過去を物語っている。しかし、これらもすぐに撤去されてしまうだろう。 …

小禄の嶽(おろくのたき)

ここは、那覇市小禄(おろく)の森口公園内にある聖域で、「小禄の嶽(おろくのたき)」とよばれている。 森口公園は小高い丘にあり、公園入口から階段を登リ切ると、上のように開けた場所に出る。 空き地の面積は広く、内部には小さな祠がたくさん並んでい…

受水走水(うきんじゅはいんじゅ)

沖縄県南城市の海に面した森に「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」とよばれる泉がある。 ここは沖縄における稲作発祥の地と伝えられ、「受水(うきんじゅ)」「走水(はいんじゅ)」とよばれる二つの泉が存在している。 ここで注目できるのは、泉のそばに…

使われていない駐車場2

閉鎖された公務員住宅の敷地内に、広い駐車場が残されている。 この場所はいつも人気がないが、この日は何かの作業が行われており、車と人が入っていた(右奥)。 普段はこのように柵で囲われ、敷地内への立ち入りが禁じられている。 この団地が使われなくな…

使われていない植栽地

道路上の様々な場所に、樹木や草花を植えるために「植栽地(しょくさいち)」とよばれるスペース*1が設けられている。 植物は空気の浄化や防音、また、夏場には日影や蒸散作用による温度低下にも役立っている*2。 何より、植物の景観が安らぎなどの良い心理…

宮城県石巻市南浜町・雲雀野町・門脇町の空き地

高台から見た南浜町・雲雀野町(奥)と門脇町(手前)の空き地。 2016年10月14日、石巻市南浜町、雲雀野町、門脇町、中央地区、八幡町、湊町、川口町、大門町を訪問した。 東日本大震災では、石巻市内で最大震度6強を観測し、広範囲で地盤沈下や液状化が発生…

用途不明の空き地

沖縄県南城市の道路沿いにあった、樹々に囲まれた謎の空き地である。 一見、資材置き場のようにもみえたが、写真右手前に通る道路はやや高い位置にあり、ガードレールで仕切られている。ここから資材などを搬入搬出するとは考えにくい。 正面から見た様子。 …

用途不明の空き地(分類方法)

さまざまな空き地を訪れる中で、そこが何のために空いているのかわからない時がある。 その土地の関係者に聞くことができればすぐにわかることだが、それらは第三者が一見しただけでは用途不明である。 ここでは、こうした一見しただけでは性格がよくわから…

調整池の空き地(横田川運動公園)

近所を散歩していたら、住宅街の中にポッカリと空いた窪地を見つけた。 標識をみると、ここは調整池と呼ばれる土地で、公園にもなっているようだ。 調整池は、大雨などにより地表に降り注いだ水が、一度に河川に流入しないよう、雨水を一時的に溜める役割(…

自然の中の空き地

森の中の空き地 人の手が加えられていない自然環境の中に、空き地が形成されることがある。 たとえば、上の写真のように、森の中の木がまばらに生えた場所が空き地になっているケースである。ここは、35年ほど前はただの草地だった。しかし、この間人の手が…

環境施設帯の空き地 2

環境施設帯とは、幹線道路沿いの生活環境を保全するために設けられる道路の部分のことで、車道の横に、歩道、自転車道、しゃ音壁、植樹帯などが設けられる。 (※詳しくは環境施設帯(かんきょうしせつたい)の空き地 - 空き地図鑑の脚注など参照。) 写真は…

商業地域の空き地

武蔵境駅付近の空き地 商業地域*1にも空き地が残されていたり、店などが解体されて新たに空き地ができることがある。 上は、JR中央線の武蔵境駅近くにあった空き地である。 駅前はほとんど開発されており、商業ビルやマンションなどが立ち並んでいる。 その…

宮城県東松島市浜市地区の空き地

空き地の中を走る工事トラック(東松島市浜市地区) 空き地と畑が広がる被災地 2016年10月13日。 野蒜地区をまわったあと、浜市(はまいち)地区の様子を見るため、石巻駅に向かう途中の陸前小野駅を下車した。 浜市地区も、先の津波により大きな被害を受け…

茨城県常総市鬼怒川決壊地の空き地

洪水に耐えた家として話題になったヘーベルハウスの住宅。決壊した堤防から僅か100メートルほどの場所に建っている。 「平成27年9月関東・東北豪雨」 による洪水被害 豪雨の概要*1 2015年9月7日、沖ノ鳥島の東の海上に台風18号が発生。台風は9日に愛知県に上…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ③

※(宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ② - 空き地図鑑の続き) かんぽの宿付近から折り返し、別ルートで再び駅に向かう。 少し進むと、工事用の土砂置き場になっている空き地があり、その前に記念碑が立っているのが見えた。 近寄ってみると、鳴瀬第二中学校の…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ②

※(宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ① - 空き地図鑑 の続き) さらに海に向かって歩いていくと、震災前に使われていた仙石線の線路があった。 もちろん、今は廃線になっている。 現在は復旧・再開発事業が活発に進められているため、道沿いの空き地には工事…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ①

東日本大震災から5年半以上が経過した2016年10月13日〜14日。 被災地の今の様子を見に宮城県東松島市(野蒜地区、浜市地区)と石巻市(門脇町、南浜町、雲雀野町、湊町、川口町、大門町、八幡町)を訪れた。 震災直後には多くの人が被災地を訪れ、その様子は…

自然によって生みだされる空き地(分類方法)

この分類では、おもに自然の力によって生みだされた空き地を紹介していきたい。 自然現象が要因となってできる空き地は様々にあり、その全ての例を挙げることはできないが、たとえば次のようなケースが想定できる。 ① 地面の隆起、沈降、浸食などにより空き…