空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。 (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

無名の遺跡10 カーポートらしき跡地 / 工業所跡地

カーポートらしき跡地 駐車場で左右を挟まれた不思議な空き地。 過去の空中写真(2008年)*1を確認すると、元々は右隣の土地に民家が立っており、この空き地はその敷地の一部だったようだ。 過去の用途は判然としないが、残された痕跡から推測するとカーポー…

無名の遺跡9 三棟の建物跡地

農地が広がるエリアを散策中、建物の基礎部分が残っている空き地を見つけた。 上の写真のように、建物の基礎は奥へ3つ並んでいる。 ストリートビューで過去の様子を調べてみたが、最も古い画像にも建物の姿は写っていなかった。しかし、地理院地図*1の空中…

無名の遺跡8 畑とスポーツ広場の跡地

住宅や店が立ち並ぶ道沿いにある、200坪ほどの広さの原っぱ。 このとおり何の変哲もない空き地だが、過去の様子を調べたところ、かつて畑やスポーツ広場らしきものがあったことがわかった。 使われていた当時は、敷地の左側3分の1ほどが畑で、残りの3分の2が…

防草シートの空き地

黒いシートの空き地 用事があって初めて訪れた千葉県のとある地域。駅を降りて散歩していた際、黒いシートが張られた空き地に出会った。 調べたところ、ここにはかつて地方銀行が立っており、今年(2023年)の3月に解体されたようだ。撮影したのは同年7月な…

生まれる空き地、消えゆく空き地

石材店跡地 ここにはかつて石材店があったが、一週間ほど前に解体されてしまった。 営業していた頃は敷地の奥に建物があり、写真右手前に大きな自立式看板が立っていた。 しかし、今も駐車場だけは営業当時のまま残されている。 敷地奥の土が見えている部分…

農地にみる空きスペース

芝生畑 住宅街で、一面に芝が生えている空き地を見つけた。この地域は芝生の生産量が全国一なので、おそらくその生産場だろう。 敷地の端(左側)は土が露出しているが、これは畑管理のためのスペースと見られる。 芝の様子。根が張っていて雑草が入り込む隙…

空き駐車場と雑草

駐輪場跡と見られる土地 白い柵で囲われた空き地。 上の写真のように、1か所だけ出入り口らしきスロープが残されている。この構造から推測すると、おそらく駐輪場の跡地ではないだろうか。 この辺りは土地区画整理事業が進められている地域で、ここの他にも…

4坪の空き地

ゴミ集積スペース(舗装部分)の右隣に、フェンスで囲われた小さな閉鎖空間がある。 この空き地は正方形に近い形をしていて、一辺が3.5メートルほど。 どこにも扉はついておらず、完全な閉鎖空間になっている。小さな聖域みたいで大変魅力的だ。 おそらく、…

出来立ての空き地4

中古車販売店の跡地 県道沿いにあった中古車販売店が解体され、新たに空き地ができていた。 上の写真がその全景で、敷地は土の地面とアスファルト舗装された部分(右奥)とに分かれている。 出来立ての空き地の姿は綺麗で清々しいが、それとともに一抹の寂し…

雪の空き地

雪遊びの形跡 私が住む関東の地域では冬に雪が積もることは珍しく、年に1、2回程度。積もったとしても10センチくらいにしかならない。 この記事では積雪があった2022年1月の住宅街の空き地を紹介したい。 当初は早朝の綺麗な雪面を撮影するつもりだったが、…

無名の遺跡7 2棟のビル跡地

茨城県水戸市のビル街で見つけたL字型の空き地。 県庁所在地である水戸市の中心街は空洞化の問題を抱えており、街を歩いていると空き家、空き店舗、空き地などをよく見かける。 この空き地の過去の姿をストリートビューで確認したところ、少なくとも2018年頃…

無名の遺跡6 商店跡地 / 事務所ビル跡地

商店の跡地 地元の旧市街を散策中に見つけた空き地。 取り残されたタイルが、かつてそこに建物が立っていたことを想像させ、何となく寂しい気持ちになる。 撮影後に調べたところ、この空き地には2014年頃まで商店が立っていた模様。そして、それが解体されて…

農道脇の小さな空き地

農道を歩いていた時に見つけた小さな空き地。 この隣(写真右奥)は荒廃農地になっているが、何故かこの一角は雑草が刈られ、それなりにきれいに管理されている。 離れたところから見た空き地(左側)の様子。 このように、ここから先は細道が伸びているので…

三角の余った土地

歩道と駐車場の間に、余ってしまったと見られる三角形の土地があった。 この辺りには、1960年頃まで畑、樹林、人家等がまばらに存在していたようだが、1970-80年頃に道路が新設され、その時にこの三角の土地が生まれたようだ*1 なお、この空き地は何年か前ま…

がらんどう

散歩でよく通る道沿いに、アスファルト舗装された広い空き地ができていた。 上の写真は北東の角から見た全体像。 長い影が、敷地内のガランとした雰囲気を引き立てていて心地よい。 かつて、このスペースは写真右奥にある自動車販売業者の展示場として使われ…

枯れ木が立つ空き地

前回に引き続き、この記事でも特徴のある空き地を紹介したい。 上の写真は、住宅街にある松の枯木が立つ空き地(2020年8月撮影)。 この辺りは40年ほど前に開発が始まったニュータウンで、近年も人口は増加傾向にあり、当地区に残る空き地の数は徐々に少なく…

鉄塔が立つ空き地

街を歩いていると、特徴的な"もの"が存在する空き地に出会うことがある。 たとえば、建物が解体され、その一部が取り残された住居跡地、自然に根付いた樹木や草花が目を引く空き地、粗大ゴミが投棄された空き地などなど。 上の写真の空き地には大きな鉄塔が…

余ってしまった土地を観察する2〈後編〉

余ってしまった土地を観察する2〈中編〉 - 空き地図鑑 の続き。 後編では、路上にある余ってしまった土地を5か所紹介し、最後に前編〜後編で紹介してきた空き地を、性格や成り立ちをもとに分類してまとめとしたい。 路上の余った土地 10. 痕跡を残す三角…

余ってしまった土地を観察する2〈中編〉

前編では、宅地(路上以外の土地)にある余ってしまった土地を紹介した。 (余ってしまった土地を観察する2 〈前編〉 - 空き地図鑑) 中編では、路上にある余った土地を、成り立ちや特徴に注目しながら紹介してみたい。 路上の余った土地 8. 多叉路の余っ…

余ってしまった土地を観察する2 〈前編〉

はじめに このブログでは、身近にある利用されていない土地を大きく2つに分類して紹介している。 一つ目が、将来的に開発・利用されることを見越して残されている(と見られる)土地で、これを「開発や利用を待つ空き地」と呼んでいる。 二つ目が、この記事…

シートが敷かれた空き地

空き地が新しくできると、やがて地面から雑草が芽を出し、上の写真のように成長・繁殖して敷地全体を覆ってしまう。 緑の空き地には、夏場の気温低減や都市型洪水を抑制する効果があるが、身近に触れられる自然として情緒的な恩恵ももたらしてくれる。 ただ…

無名の遺跡5

井戸ポンプが残る住宅跡地 農地が広がるエリアを歩いていると、不思議な痕跡が残る住宅跡地に出会った。 上の写真は空き地を南東の角から見た様子。 過去に撮影された航空写真を確認したところ、2009年頃までここに建物が立っていたが、2011年にはそれが無く…

水田跡地

以前、このブログでは身近にある様々な「使われていない農地」を紹介し、それらについて整理してみた(以下参照)。 冒頭の写真は、2020年8月に撮影した耕作放棄地(あるいは休耕地)とみられる空き地。 「耕作放棄地」とは、以前耕作していた土地のうち、過…

無名の遺跡4 ー LIVIN(リヴィン)水戸店跡地

このブログでは、住居や施設の跡地のうち、過去の痕跡が残されているものを「無名の遺跡」と呼んで紹介してきた。 (参照:街で無名の遺跡を探す〈前編〉 - 空き地図鑑) その中には、建物の基礎部分や外構がそのまま残されているケースもあり、それらを観察…

街のありふれた空き地を観察する(3)

前回の記事と同様、この記事でも住宅街にある空き地を中心に取り上げ、それぞれの過去の姿を探りつつ、特徴や気付いたことをまとめたい。 ここで紹介する空き地は、住宅、店舗、林などの跡地である。「跡地」なので、当然過去に存在したもの(建物、施設、自…

街のありふれた空き地を観察する(2)

前回の記事では住宅街にある一見平凡な空き地を取り上げ、それぞれの個別性(歴史や性格)について探ってみた。 この記事でも住宅街を中心に7か所の空き地を紹介し、それぞれの過去の姿、特徴、その他気になったことを記したい。 ニュータウンの空き地① ニュ…

街のありふれた空き地を観察する(1)

住宅街を歩いていると、家々の間に空き地が取り残されている姿をよく見かける。しかし、あらためてよく観察すると、それらは一様ではなく姿や雰囲気は様々である。 例えば「住宅街の空き地」と一口に言っても、自然を切り開いて整備されたばかりのもの、長い…

使われていない農地 / 牧草地 / 緑肥栽培地

はじめに 日本にはたくさんの使われていない農地があります。 例えば、土壌改善のために耕作が一時的に休止されている土地、自然災害によって作付けできなくなった土地、何らかの事情で放棄され原野化している土地等々…。 私はこれらの場所も「空き地」とし…

用途不明の空き地2

工場の塀の空きスペース 工場の塀にわずかに凹んだ謎の部分を見つけた。 小さめの細長いスペースだが、何のために設けられたのだろうか? マンホールやハンドホール(排水桝や水道メーター等)が設置されていた場所かもしれないが、蔓や枯れ葉に覆われ、それ…

調整池の空き地(破竹川調整池)

大雨が降ると、川が増水して洪水を引き起こすことがある。それを未然に防ぐため、街に調整池が設けられる。調整池に雨水を貯めることで、大量の水が一気に川へ流れ込まないようにしているのだ。 調整池のなかには、貯水されていない時に一般開放され、グラウ…