空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。      (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

小禄の嶽(おろくのたき)

ここは、那覇市小禄(おろく)の森口公園内にある聖域で、「小禄の嶽(おろくのたき)」とよばれている。 森口公園は小高い丘にあり、公園入口から階段を登リ切ると、上のように開けた場所に出る。 空き地の面積は広く、内部には小さな祠がたくさん並んでい…

受水走水(うきんじゅはいんじゅ)

沖縄県南城市の海に面した森に、「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」とよばれる聖域がある。 この聖域は、沖縄における稲作発祥の地と伝えられ、「受水(うきんじゅ)」「走水(はいんじゅ)」とよばれる二つの泉が存在している。 そして、泉のそばには神…

使われていない駐車場 2

通勤途中、いつも今は使われていない都営住宅の前を通るが、その敷地内に広い駐車場がある。 この日は何かの作業のためか、車と人が入っていた(右奥)。 しかし、普段は周囲に柵が立てられ、一般に立ち入りが禁じられている。 この団地が使われなくなってか…

使われていない植栽地

道路上の様々な場所に、樹木や草花を植えるために「植栽地(しょくさいち)」とよばれるスペース*1が設けられている。 植物は空気の浄化や防音、また、夏場には日影や蒸散作用による温度低下にも役立っている*2。 何より、植物の景観が安らぎなどの良い心理…

宮城県石巻市南浜町・雲雀野町・門脇町の空き地

高台から見た南浜町・雲雀野町(奥)と門脇町(手前)の空き地。 2016年10月14日、石巻市南浜町、雲雀野町、門脇町、中央地区、八幡町、湊町、川口町、大門町を訪問した。 東日本大震災では、石巻市内で最大震度6強を観測し、広範囲で地盤沈下や液状化が発生…

用途不明の空き地

沖縄県南城市の道路沿いにあった、樹々に囲まれた謎の空き地である。 一見、資材置き場のようにもみえたが、写真右手前に通る道路はやや高い位置にあり、ガードレールで仕切られている。ここから資材などを搬入搬出するとは考えにくい。 また、後日気になっ…

用途不明の空き地(分類方法)

さまざまな空き地を訪れる中で、そこが何のために残された空き地なのかわからない時がある。 その土地の関係者に聞くことができればすぐにわかることだが、それらは第三者が一見しただけでは用途不明である。 ここでは、こうした一見しただけでは性格がよく…

調整池の空き地(横田川運動公園)

近所を散歩していたら、偶然、住宅街の中にぽっかりと窪んだ場所(空き地)を見つけた。 標識をみると、ここは調整池と呼ばれる土地で、公園にもなっているようだ。 調整池は、大雨などにより地表に降り注いだ水が、一度に河川に流入しないよう、雨水を一時…

自然の中の空き地

森の中の空き地 人の手が加えられていない自然環境の中に、空き地が形成されることがある。 たとえば、上の写真のように、森の中の木がまばらに生えた場所が空き地になっているケースである。ここは、35年ほど前はただの草地だった。しかし、この間人の手が…

環境施設帯の空き地 2

環境施設帯とは、幹線道路沿いの生活環境を保全するために設けられる道路の部分のことで、車道の横に、歩道、自転車道、しゃ音壁、植樹帯などが設けられる。 (※詳しくは環境施設帯(かんきょうしせつたい)の空き地 - 空き地図鑑の脚注など参照。) 写真は…

商業地域の空き地

武蔵境駅付近の空き地 商業地域*1にも空き地が残されていたり、店などが解体されて新たに空き地ができることがある。 上は、JR中央線の武蔵境駅近くにあった空き地である。 駅前はほとんど開発されており、商業ビルやマンションなどが立ち並んでいる。 その…

宮城県東松島市浜市地区の空き地

空き地の中を走る復興工事のトラック(東松島市浜市地区) 空き地と畑が広がる被災地 2016年10月13日。 野蒜地区をまわったあと、浜市(はまいち)地区の様子を見るため、石巻駅に向かう途中の陸前小野駅を下車した。 浜市地区も、先の津波により大きな被害…

茨城県常総市鬼怒川決壊地の空き地

洪水に耐えた家として話題になったヘーベルハウスの住宅。決壊した堤防から僅か100メートルほどの場所に建っている。 「平成27年9月関東・東北豪雨」 による洪水被害 豪雨の概要*1 2015年9月7日、沖ノ鳥島の東の海上に台風18号が発生。台風は9日に愛知県に上…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ③

※(宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ② - 空き地図鑑の続き) かんぽの宿付近から折り返し、別ルートで再び駅に向かう。 少し進むと、工事用の土砂置き場になっている空き地があり、その前に記念碑が立っているのが見えた。 近寄ってみると、鳴瀬第二中学校の…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ②

※(宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ① - 空き地図鑑 の続き) さらに海に向かって歩いていくと、震災前に使われていた仙石線の線路もあった。 もちろん、今は廃線になっている。 現在、復旧・再開発事業が盛んに進められているので、道沿いの空き地には工事…

宮城県東松島市野蒜地区の空き地 ①

東日本大震災から5年半以上が経過した2016年10月13日〜14日。 被災地の今の様子を見に、宮城県東松島市(野蒜地区、浜市地区)と石巻市(門脇町、南浜町、雲雀野町、湊町、川口町、大門町、八幡町)を訪れた。 震災直後には多くの人が被災地を訪れ、その様子…

自然によって生みだされる空き地(分類方法)

この分類では、おもに自然の力によって生みだされた空き地を紹介していきたい。 自然現象が要因となってできる空き地は様々にあり、その全ての例を挙げることはできないが、たとえば次のようなケースが想定できる。 ① 地面の隆起、沈降、浸食などにより空き…

クトジ御嶽

ここは、うるま市の海辺にあるクトジ御嶽である。 この御嶽は、樹木と背の高い草むらに覆われて目立たず、隠れるように存在していた。そのため、なかなか見つけ出せず、付近の住人に尋ねてようやく辿り着くことができた。 この御嶽の入口には市の標識が立て…

敷地内の使われていない土地 

駅舎敷地内の空き地 敷地内の建物が建っていない空地は、しばしば駐車場や庭、物置き場、畑などに有効利用される。 しかし、中には様々な理由で放置されてしまう場合もある。 上は、駅舎(国際展示場駅)と一体化した店舗敷地内の空き地である。 空き地を囲…

東の御嶽(あがりのうたき)

沖縄県うるま市の浜比嘉島(はまひがじま)に、「東の御嶽(あがりのうたき)」がある。 ここは、大木の下にある空き地が聖域になっており、これまで訪れた御嶽の中でも印象深い場所だった。 訪れた日は、那覇市を出発し、浦添、宜野湾、沖縄市などいくつか…

整地後の雑草

(no.97 東京都小平市) ここではこれまでに、過去の痕跡が残る空き地を紹介したことがある。 → 痕跡を残す空き地 1 - 空き地図鑑 、痕跡を残す空き地 2 - 空き地図鑑 しかし、過去に建っていた建物のすべてがきれいに取り除かれたために、その場所の過去を…

シートに覆われた空き地

空き地の中には、防草シートに覆われている所がある。 ここは、一戸建てが二軒ほど建てられそうな広さがあるが、敷地全体がシートで覆われていた。 これだけの面積を覆うためには、それなりの費用がかかるだろう。しかし、毎年雑草処理を行なう労力や、業者…

使われていない物置き場 

使われていない資材置き場 上は、長い間使われていない資材置き場で、入口には利用者を募る看板が立てられていた(下の写真)。 この付近一帯は開発されておらず、森が多く残されている。 この空き地も森を切り開いてつくったのだろう。 以前、空き地の中心…

空き地の有効利用

三角形の空き地 ① 街を歩いていると、時々このような三角形の空き地を見かける。 敷地の形がもともと三角形だったのかもしれないし、もとは四角い敷地だったものが、道路開発などによって削られてできたのかもしれない。 こういう空き地には、野立て看板や自…

田端・田端東遺跡(たばた・たばたひがしいせき)

上の写真は、ストーンサークル(環状列石) - 空き地図鑑でも紹介した東京都町田市にある縄文時代の遺跡である。 遺跡とはいうものの、現在は雑草に覆われて何も見えない。しかし、この空き地の下から約5000年〜2800年前(縄文時代中期から晩期)につくられ…

ノロ屋敷跡

上の写真は、知念城(沖縄県南城市)の城外にあるノロ屋敷跡である。 「ノロ」とは沖縄における女性祭司のことで、地域の祭礼を主導する役割を担っている。かつて琉球王国では、制度として女性祭司が組織され、ノロはこの組織の末端に位置していた*1。 ここ…

塩川(しおかわ)の空き地

(no.82 塩川の空き地 / 沖縄県国頭郡本部町) 沖縄県国頭郡本部町に、国の天然記念物に指定された「塩川(しおかわ)」がある。 名前のとおり塩水が湧き出る珍しい川で、このような川は世界でこの場所とプエルトリコの2ヵ所しかないといわれている*1。 塩水…

上田城跡 / 円覚寺跡 の空き地

ここは、長野県上田市の上田城跡内にあった石垣跡(本丸西虎口)である。 上田城は、16世紀に真田昌幸によって築かれた城で、国の史跡に指定されている。なお、この城は関ヶ原の戦いの後に一度壊され廃城になったが、その後の江戸時代中に再建された歴史があ…

北条氏常盤亭跡(ほうじょうしときわのていあと)

神奈川県鎌倉市にある北条氏常盤亭跡は、鎌倉時代に北条一族の有力者が建てた別邸跡で、国の史跡に指定されている。 上の写真は、道路からみた別邸跡の一部である。 一見ただの空き地にしか見えないが、ここから何らかの遺構が見つかったと考えられる。 なお…

記念物(きねんぶつ)の空き地について

文化的機能を持つ空き地(分類方法) - 空き地図鑑でも述べたとおり、「記念物」は文化財の一つで、国や地方公共団体などにより保存・管理されている。 この分類で紹介する場所の多くは、過去に建てられた建物の跡であり、それらは「史跡」として保存されて…

サービスエリアのオープンスペース

高速道路を利用する人々が、休憩や給油のために利用するサービスエリア、あるいは、パーキングエリアにもオープンスペースがある。 サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)は、高速自動車国道法などの法規にもとづいてつくられている。 またこれらは…

ストーンサークル(環状列石)

ストーンサークル(環状列石)は、主に先史時代につくられた祭祀場で、インド、アフリカ、ヨーロッパ、中東、東アジアなど世界各地でみられる。 その性格も様々で、墳墓の一部としてつくられたもの、石自体が信仰の対象になっているもの、聖域を囲む垣として…

使われていない駐車場

駐車場の中には、混雑時などにしか使われず、普段はがらんとしているものがある。 上の写真は、今帰仁城跡公園(なきじんじょうあとこうえん)に設けられた予備駐車場の一つである。 訪れた際は開園時間内だったが、車が一台も駐車されていなかった。また、…

氷川女體神社磐船祭祭祀遺跡(ひかわにょたいじんじゃいわふねまつりさいしいせき)

埼玉県さいたま市にある氷川女體神社の前には、江戸時代につくられた屋外の祭祀場が残されている。 ここは、現時点においても古い祭祀の様子がうかがえる貴重な空間である。 祭祀遺跡の入口から撮影。 道を挟んだ向かい側に、氷川女體神社がある↑ 祭祀遺跡の…

友利御嶽(ともりうたき)・知念城(ちねんじょう)付近の拝所

知念城(ちねんじょう / ちねんぐすく)は、12世紀前後か、またはそれ以前につくられた古い城と考えられている*1。また、この地は琉球王国時代の国王の巡礼地の一つである。 この知念城の一画に、不思議な佇まいの円形の空き地があった。 この空き地は、海に…

「超芸術トマソン」の空き地 2

(no.60 東京都渋谷区) 北参道駅近くの歩道にあった謎の閉鎖空間である。 赤瀬川原平の「超芸術トマソン」については「超芸術トマソン」の空き地 - 空き地図鑑の中でも紹介した。 この記事で紹介する空き地も、赤瀬川らが分類した「境界」物件にあたるもの…

玉城城跡の拝所 塩川付近の拝所

上は、玉城(たまぐすく)城内にあった拝所(うがんじゅ)の空き地である。 現地の標識*1によれば、城の築城年代や歴代の城主は定かになっておらず、この城は創世神のアマミキヨが築いたという伝説もあるそうだ。 なお、城内にはこの拝所の他に「天つぎあま…

休耕地

(no55. 沖縄県うるま市) 畑作が中断され、一時的にデッドスペース化している土地がある。 上と下の写真は、沖縄にあり、いずれも休耕地と思われる。 畑作を中断する理由としては、畑を休ませて栄養のある土をつくる目的があり、場所によっては緑肥にする植…

斎場御嶽(せーふぁうたき)

沖縄本島の南城市にある斎場御嶽(せーふぁうたき)は、琉球神話に登場するアマミキヨという創世神がつくったと伝えられている。琉球王国において最も位の高い御嶽であり、国王が親拝し続けた歴史がある*1。 また、現在は国の史跡に指定されており、ユネスコ…

クバの御嶽(くばのうたき)

写真は、沖縄県の国頭郡今帰仁村(くにがみぐんなきじんそん)にあるクバの御嶽にある空き地である。 村が設置した標識によれば、年に2回、この御嶽に神職や村人たちが集まり、子孫繁栄や航海安全などを祈願するようだ。 ここは、森に覆われた丘全体が聖域に…

祭祀場(さいしじょう)の空き地 – 御嶽について

日本では、古くから巨石、巨木、滝、山などの自然物を敬い、それらに宿る神を信仰してきた。 古い祭祀場には、今日の神社でみられる本殿や拝殿などの建築物は建っておらず、簡素な祭壇や結界された土地などを、神の仮住まいの場所として祭祀に利用していたよ…

文化的機能を持つ空き地(分類方法)

空き地には文化的な役割を担っているものがある。 それらを、ここでは「祭祀場の空き地」と「記念物の空き地」の二つに分類してみたい。 「祭祀場」とは、神や祖先の霊などの聖なる存在に対して、祈りを捧げるために設けられた場所である。 祭祀や祭典を行な…

建ぺい率と空き地

法律では、ある土地に建物を建てる場合に、その建物が敷地面積全体で占める割合を「建ぺい率」とよび、一定の割合を定めている*1。 これによって、敷地内に空き地が生み出され、そこが駐車場や庭などに利用されることになる。 こうした空き地は、通風の確保…

湾岸の空き地

東京湾沿岸にはまだ多くの空き地が存在しており、ここもその一つである。 湾岸エリアは港や工場などが多いため、物流の拠点になっていたり、電力や石油の供給基地にもなっている。近年では、ここにマンションの建設も次々に進められているようで、居住者が増…

火除明地(ひよけあきち)

過去につくられた緩衝機能をもつ空き地として、江戸時代に幕府の政策でつくられた「火除明地(ひよけあきち)」(火除地(ひよけち)ともいう)がある。 これは、町で火事が発生した際に、周囲の建物に火が燃え移らないようにすることを意図してつくられた空…

緩衝緑地(かんしょうりょくち)

「緩衝緑地(かんしょうりょくち)」は、騒音、振動、大気汚染、悪臭などを緩和したり、防止することを目的として設けられる空地で*1、工業地帯、工場、空港などの近くに設けられる。 緩衝緑地は都市公園の一つに分類されており、都市公園法にもとづいて設置…

中央帯の空き地

「中央帯」も、交通島と同じく道路法や道路構造令*1にもとづいてつくられている。 写真は、自動車道路の中央帯にあった空き地である。 中央帯とは、双方向の車線を分離するために設けられた道路の部分であり、車の円滑な走行や横断する歩行者の安全確保の役…

環境施設帯(かんきょうしせつたい)の空き地

「環境施設帯」とは、付近の住環境を保全するために設けられた道路の部分をいい、そこには歩道、自転車道、植樹帯などが設けられる*1。 なお、環境施設帯は行政の通達*2にもとづいてつくられる。 上の写真では、左側に広めの歩道があり、中央に植栽地、右側…

交通島(こうつうじま)の空き地

空き地には緩衝機能を備えたものがあり、道路の一部として設けられるものがある。 公道で見かける「交通島(こうつうじま)」*1は、道路法や道路構造令*2にもとづいてつくられている。 ここでは、内部に人が入れるだけの空き地がある交通島を紹介してみたい…

公開空地や広場 2 

東京都議会議事堂前 都民広場 都営大江戸線の都庁前駅からすぐの場所に、東京都議会議事堂がある。 ここは、その前にある公開空地(都民広場)である。 都庁舎は丹下健三氏の設計によるもので、議事堂と本庁舎に挟まれたこの空間が陽に照らされた時には、荘…