空き地図鑑

空き地、更地、使われていない資材置き場、オープンスペース、祭祀場、住居跡地など、「空いている場所」がもつ様々な機能、意味、魅力を探ります。      (※本ブログに掲載の写真および文章の無断使用(転用・転載など)は禁止しています。)

使われていない植栽地

 

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道路上の様々な場所に、樹木や草花を植えるために「植栽地(しょくさいち)」とよばれるスペース*1が設けられている。 

植物は空気の浄化防音、また、夏場には日影蒸散作用による温度低下にも役立っている*2

何より、植物の景観が安らぎなどの良い心理的効果をもたらしてくれるだろう。

このように、道路の緑化は、交通環境や沿道の生活環境を快適にしてくれているのである。

しかし、人の手によって植えられ、管理されている緑だけが景観を良くしているのだろうか?

上の写真は歩道に設けられた植栽地で、通常、ここに樹木や草花が植えられる。

しかし現在は使われておらず、放置された場所から雑草が伸び、「雑草花壇」とよべそうな場所になっている。

偶然に生まれた景観だが、雑草の黄緑色と花壇の白色が調和していてきれいだ。

このような存在も、自然のありのままの魅力を私たちに教えてくれるのではないだろうか。

  

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そばには、使われていない植樹枡もあった。

 

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これは、スーパーの駐車場にあった植栽地である。

おそらく、開店当初は美観のために、ここにも草花が植えられたり、芝がきれいに敷かれていたのだろう。

しかし、今となってはすっかり放っておかれているようだ。内部には不要(?)な車止めブロックが無造作に捨てられており、この土地の「用済み」感を物語っている。

  

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マンションの横に、ひっそりと柵で囲われた一画があった。

斜面はいくつか段になっており、以前は芝やつる植物などが植えられていたと考えられる。

しかし、現在は雑草だけが生え、目的不明の空きスペースになっている。

囲われたシートの様子から、いかにもこれから工事が行われそうにみえる。しかし、ここを撮影してから4、5ヶ月は経っているが、未だこの状態のままである。

マンションは新築という感じはしないが、今さらどう植栽されるのだろうか?

それなりにスペースがあるので、芝などではなく、低木が植えられるのかもしれない。

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前の記事で紹介した、石巻市門脇町の道路上にあった植栽地である。

この道路は、復旧工事により出来立てなので、こういった植栽地がいくつもあった。

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右側に建っているのは、復興公営住宅だ。

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石巻市門脇東復興住宅。

今後、この建物の景観に合う樹木が植えられるのだろう。

 

この記事の前半の植栽地は、当初は使われていたのに、もう使われなくなってしまった場所だ。

しかし、この石巻市の植栽地は「街の復興」という意味を踏まえ、新たに利用(開発)されつつあるものだった。

 

(上から、no.123〜no125 道路上の植栽地/茨城県龍ケ崎市、no.126 マンション横の植栽地/東京都小金井市、no.127 復興工事直後の植栽地/宮城県石巻市

 

 

*1:「道路緑化技術基準」の「第1章総則 1-3用語の定義」には、「10 植栽地 既存の樹木等を保全し、又は新たに植栽する場所をいう。植栽地として利用できる場所は、専ら樹木等の植栽を目的として確保される植樹帯のほか、歩道、分離帯、道路のり面等である.なお、草花を植栽するための花壇も植栽地に含まれる。」と記されている。(「道路緑化技術基準の改正について」、都街発第21号、道環発第8号、昭和63年6月22日付都市局長・道路局長発、北海道開発局長・沖縄総合事務局長・各地方建設局長・各都道府県知事・十大市長・日本道路公団総裁・首都高速道路公団理事長・阪神高速道路公団理事長・本州四国連絡橋公団総裁宛通知。)

*2:参照:「街路樹大図鑑」国土交通省大宮国道事務所ホームページ、http://www.ktr.mlit.go.jp/oomiya/04data/library/gairoju4.htm